廿日に行く兵庫芸術文化センター管弦楽団第109回定期演奏会はベートーヴェン祭と言うべき
公演で、ベートーヴェンの♭３つの曲が３つ並ぶ。しかもスケールの大きな曲ばかり。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)作曲
交響曲第３番変ホ長調「英雄」Ｏｐ．55
指揮：尾高忠明
管弦楽：札幌交響楽団
この盤に帰ってきた。札響とのツィクルスでの折の録音。第１楽章の提示部の繰り返しは省かれる
事が多いが、何と繰り返しが入っている。４ヶ月前に大フィルを指揮しての生演奏を聴く機会が
あったが、その時も繰り返しが入っていた。第４楽章は終楽章で変奏曲となっている。変奏曲は
ベートーヴェンが二十歳代から晩年まで取り組んだテーマであった。主題がバレエ音楽
「プロメテウスの創造物」Ｏｐ．43の終曲。バレエ音楽の幕切れに相応しい劇的な音楽であるが、ベートーヴェンの手にかかると主題は霧散する。フーガも現れる。「運命」で知られる５番でも
第３楽章のトリオで扱っているが、こちらはギリシャ神話の火の神だけに音楽も壮大。
次は何が出て来るのか、わくわくする。私は馬車がポコポコ行くと感じる箇所がある。
本盤も札響は尾高さんが気心が知れているオケだけに見事な手綱捌きである。
次はマエストロ尾高からクラウディオ・クルスさんへ。指揮者もオケも変わる。オケは「のだめ」で
田園交響曲を聴いただけに期待が持てる。
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