酒を飲むとその人の本性が出る、といふ。
この話の信憑性はわからぬが、確かに酒が入るとえらく性格が変わる人がゐる。
まぁ絶対に勘弁して欲しいのは「酒乱」だが、泣く人、笑う人、助平になる人、様々だ。
本性、かどーかはわからんが、まぁその人の一面であることは間違いないだらう。
かく云ふワシは、多面性がありすぎる、と云はれる割りに、酒が入ってもあんまり変わらぬ。強いわけではない。人並みに酔っ払う。むしろよく二日酔いになる。
んで、翌日ほとんどのことを忘れ去ってゐる。
それを云ふとみな驚く。
「全然シラフに見えた」と云ふ。
こちらが、目が閉じさうになるのを(酔うと大抵眠くなる)必死でこらえ、頑張ってゐる姿を「シラフ」と捉えられるは心外。
それどころか、「かなりマトモなことを喋った」といふ。
ぬ〜〜〜〜。
前にも書いたが、ツイ10年くらい前まで、ワシはやたらと「テンションの高い人間」だった気がする。なによりも「楽しく」「ウケる」ことを優先したし、さうでないやつを窘めたりもした。
酒が入ると助平になってゐた。
「セクハラ大魔王」とさえ呼ばれた時期もある。恥の歴史だ。黒歴史だ。
50を超えるまでもなく、もぅさういふのは良い。
酒は静かに飲むものと思ふ。心から思ふ。
YAMAGUCHIといふバンドの東京といふメンバーの不祥事に思ふわけでもないが、酒で失態を犯してはいかん。
「中年」といふは、おのづと「責任」を背負うものだ。
そはサラリーマンもフリーランスも、絵描きも歌うたいも漫才師も変わらぬ。
だが、「昨日(の酒宴で)は楽しい話をありがとうございました」と云はれて、それを憶えてない、といふは、自分でももったいないとも思ふ。
酒との付き合いは、一生の修行に違いない。
襟を正して、今宵も、また一杯。
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