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2015年02月12日11:12

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曽野綾子氏の上から目線が気になる


2015年2月12日(木曜日)

 私は曽野綾子さんが小説家だということ以外何も知りません。読む気にならなかったので著作を読んだことはないし、どういう考え方をする人か、どんな価値観なのか興味もありませんでした。自分とは無関係の存在、というのはそういうものです。

 もっとも、私は小説をあまり読まないのです。小説を読むと他の本や文章の読みが雑になる、と信じているのです。能力のある人はそんなことを気にしないでしょうが、ちょっと能力の落ちる私にはできないのです。


 産経新聞さま・曽野綾子さま、引用元を明示して引用しますが、それでも不都合であれば削除します。

 〜〜産経新聞引用〜〜

 曽野綾子の透明な歳月の光 労働力不足と移民

 最近の「イスラム国」の問題など見ていると、つくづく他民族の心情や文化を理解するのはむずかしい、と思う。一方で若い世代の人口比率が減るばかりの日本では、労働力の補充のためにも、労働移民を認めねばならないという立場に追い込まれている。

 特に高齢者の介護のための人手を補充する労働移民には、今よりもっと資格だの語学力だのといった分野のバリアは、取り除かねばならない。つまり高齢者の面倒を見るのに、ある程度の日本語ができなければならないとか、衛生上の知識がなければならないとかいうことは全くないのだ。

 どこの国にも、孫が祖母の面倒を見るという家族の公図はよくある。孫には衛生上の専門的な知識もない。しかしやさしければそれでいいのだ。

 「おばあちゃん、これ食べるか?」

 という程度の日本語なら、語学の訓練など全くうけていない外国人の娘さんでも、2,3日で覚えられる。日本に出稼ぎに期待、という近隣国の若い女性たちに来てもらって、介護の分野の困難を緩和することだ。

 しかし同時に、移民としての法的身分は厳重に守るように制度を作らねばならない。条件を納得の上で日本に出稼ぎに来た人たちに、その契約を守らせることは、何ら非人道的なことではないのである。不法滞在という状態を避けなければ、移民の受け入れも、結局のところは長続きしない。

 ここまで書いてきたことと矛盾するようだが、外国人を理解するために、居住を共にするということは至難の業だ。

 もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情をしって以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいいと思うようになった。

 南アのヨハネスブルクに一軒のマンションがあった。以前それは白人だけが住んでいた集合住宅だったが、人種差別の廃止以来、黒人も住むようになった。ところがこの共同生活は間もなく破綻した。

 黒人は基本的に大家族主義だ。だから彼らは買ったマンションに、どんどん一族を呼び寄せた。白人やアジア人なら常識として夫婦と子供2人くらいが住むはずの1区画に、20〜30人が住みだしたのである。

 住人がベッドではなく床に寝てもそれは自由である。しかしマンションの水は、1戸当たり常識的な人数の使う水量しか確保されていない。

 間もなくそのマンションはいつでも水栓から水の出ない建物になった。それと同時に白人は逃げ出し、住み続けているのは黒人だけになった。

 爾来、私は言っている。
 「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」

 〜〜引用終わり〜〜

1、介護はやさしさがあれば誰でもできるのか(?)

 厚労省は現在の69業種127種類の技能実習生制度を拡大し、介護事業を含めるように検討しています。

 介護事業所の現場を知るものから見ると、人手不足を解消するために手っ取り早く何でもいいので数だけ合わせようという泥縄式施策に思えます。

 そもそも技能実習生という制度は日本国の技術が他国より進んでいるので、海外への技術移転として国内で実習を通じてノウハウを蓄積し母国や日本国で労働者として活用してもらう趣旨のものです。

 もう一つの誤解は現在フィリピン・インドネシアから看護師・介護士候補が来日していますがなかなか日本の看護師・介護福祉士試験に合格しない、と言われます。彼女たちはフィリピンやインドネシアで看護師資格を持つ人たち・大学卒業後に介護経験が6か月以上あるとフィリピンやインドネシア政府が認めた人たちです。

 フィリピンやインドネシアでは優秀な人たちであり、無資格・未経験で来日しているのではありません。

 それでもクロスパテント(かの国の看護師資格を日本の看護師資格として認める制度)を認めていないので日本の資格試験に合格しなければ強制帰国させるわけです。その理由は彼女たちを日本に入国させ、稼いで母国に送金することに目的があるからです。介護労働者として育成・定着させることが目的ではありません。経済協力のためのEPA・FTPに基づく施策なので日本の製品輸出に対する人材輸入にすぎないのです。

2009年6月27日「介護人材も利権にしてしまう日本の不幸」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1208984572&owner_id=2247149

 さて、外国人介護労働者を技能実習生として受け入れる場合の問題です。 

 一番の問題は、介護には技能も知識も要らないという曽野綾子氏の断定です。そんなことは全然ありません。体位交換やベッドや車いすへの移乗・移動は無手勝流では危険であり不安を与えます。食事・トイレ・口腔ケア・投薬等々の介助にも技能が必要です。また緊急時の対応はより重要です。

 高齢者に対するやさしさがあれば「私のおばあちゃん」という特定の人に対してだけなら介護そのものは不可能ではありませんが、たとえば10人の高齢者のそれぞれの介助をしようと思えば一定レベル以上の技能・知識は不可欠です。

 それは介護事故に誰が責任を持つのか(?)で大きく異なります。おばあちゃんと孫という親族間の介護なら責任を問われることはあまりないかも知れませんが、第三者が行うときには必ず責任が生じます。で、やさしさがあれば免責されるのでしょうか。

 残念なことですが今や介護事故をカネをせしめるチャンスとばかり待っている利用者家族も少なくありません。

 大きな法的リスクを抱えて事業者がレベルの低い介護人材を雇用するとは思えません。


 次ぎの問題は介護記録が書けないことです。日本語がかなりできる外国人でもひらがな・カタカナ・漢字で文字を書くことはできない場合が多いことは周知です。ところが介護記録は必ず残さなければなりません。

 行政による実地指導では誰にどのような介護を行ったのか記録がなければ、提供していない介護サービスを請求したとして介護報酬の返戻を求められますし、本当に提供していない場合には故意犯として行政処分・告訴という強硬な手段もまれではありません。

 こういう実態を知っていれば「やさしさがあれば介護はできる」という文章は書けません。以上から、曽野綾子氏には介護に対する理解が乏しいと思います。

 みなさんは、介護サービスを提供する人たちの状況をご存じでしょうか(?)

 平成22年で見ると、介護職員数1,279,732人、内介護福祉士405,602人、その他874,130人(介護福祉士占有率31,7%)。

 平成22年介護福祉士登録者数898,429人なので、介護福祉士の総数の45%、405,602人しか介護職員として働いていないわけです(平成25年介護福祉士登録者数1,183,979人、就業者数不明)。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi6.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000zdft-att/2r9852000000zdr9.pdf

 国の雇用政策・高齢者施策としては、この活用できていない人たちを活用する施策の方が外国人介護労働者を増やすことより優先順位が高くありませんか(?)それとも介護保険制度を支える介護福祉士の制度そのものが破たんしているのだから別の方策を考えるべきかも知れません。

 そのことは次のことを見ればより理解が進むと思います。 
 
 曽野綾子氏は「外国人と居住区を分けろ」と言いますが、それは奴隷として入国させることにほかなりません。外国人を国内に合法的に入れるというのは外国人と一緒に生活をするということであり、それがイヤなら外国人の入国を拒否しなければなりません。一方で外国人を介護人材として入国させろと言い、他方では居住区について差別をしろと言うのでは筋が違います。

 介護労働者の手は欲しいが日本人とは習慣が違うから住まいはコロニーで、って。そういう生活をしたければご自身でそういう奴隷になる外国人を探してください。国家の施策として進められるレベルの話しではありません。

 アメリカの白人は街に黒人が入ってくるようになると郊外にニュータウンを作り移住します。そして旧市街は黒人が多く住むスラム街となります。黒人と白人は平等だといいながら実は白人は黒人と一緒に住むのが嫌い、というのが本音です。アメリカのお家芸ダブルスタンダードです。

 たとえば穢多・非人の住む部落、朝鮮人の住む朝鮮部落が今でも日本にあります。周囲からはそこに住む人たちの差別があります。

 フィリピンやインドネシアからの外国人について同じコロニーを作るというのでしょうか。

 そのような差別が格差を作り社会を混乱に陥れ利権を作り出してきたことに思いを致すべきでしょう。ヨーロッパ各国では、かつて当面の労働力として移民を入れたことが原因で大きな社会的不安が生じています。

 もし、外国に行き日本人コロニーにしか住むことができないとすれば、あなたはそれを奇異に思いませんか。私はゴメンです。

 最後までお読みいただきありがとうございます。

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