mixiユーザー(id:212781)

2018年01月06日09:33

455 view

声の蜜

歯から牙が生えてくるこない
つむった芽を見開いては待った
棘のある空気感浴びて月を呼んだ
なまえの思い出せない夜
きみの声から膨らみだす虹を
渡ろうと脚をもつれさせては
疾風のように渡る風に巻きついた
もうどこへも行けないいける
真空のゆりかごをゆらすのはいつ

呼吸をしている
なぜだろう
呼吸をさぼってしまえないのは
風船が中で息づいている
どんなふうにきみは
呼吸をしているのか見せてほしくて
しぼんだ朝に水をかけては
存在が悲しくてねむりたい

車輪がきしんだ音を立てて廻るから
過去も未来も明滅させっぱなしで
両手を広げて翳してみせるから
はばたきを模倣したゆらぎを報せて
もうひとまわり命を周遊していよう
もう戻ってこれないことを知りながら

旅に出てしまう
なぜだろう
宿を宿してしまおうとするのは
草の根を掻き分けて見つけた安らぎ
においを辿って巡る季節と話して
ぼくの中にぼくを見つけてしまう
知りたくもない瞳の奥を見つめて
きみの中に這入ってこうしていたい
8 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年01月>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

最近の日記

もっと見る