私は告白する

『私は告白する(I Confess)』米国1953年、ポール・アンセルム原作、アルフレッド・ヒッチコック監督、モンゴメリー・クリフト、アン・バクスター、カール・マルデン、ら。
僧衣をまとっていた犯人を見た少女らの証言で神父に疑いがかかり、犯人からの告解を他言出来ずに悩み抜く神父が人間としてどう振る舞うのか核心に迫って行く様子をモンゴメリー・クリフトは見事に演じていたと思います。ましてや、犯行のあった夜に神父が人妻と逢っていた事実が明らかになり神父は追い込まれ、起訴されたものの確証が無い為に無罪判決を受けますが、それを承知出来ずに神父に罵声を浴びせる裁判所前に集まった民衆の恐ろしさをカメラはしっかりと捉えていました。事件の真実を知る犯人の妻が真相を話そうとした瞬間に犯人に撃ち殺されるシーンでは、ケネディ大統領を暗殺したオズワルドが口封じの為に自らも撃ち殺された瞬間を思い出してしまいました。前から思っていましたが、告解を聞いた神父さんのような宗教者は守秘義務があると思うのですが、それと各国における法律との兼ね合いはいかほどなんでしょうか。この映画のように、犯罪絡みだと、警察の捜査権はどこまで及びうるのか、改めて訝った次第です。