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2018年08月18日23:39

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血と砂

『血と砂』1965年公開、岡本喜八監督、三船敏郎、伊藤雄之助、団令子、ら。
昭和二十年の北支戦線で小杉曹長(三船敏郎)と軍楽隊の少年十三人、小杉に惚れている慰安婦お春(団令子)、らが八路軍(=中国共産党)の猛攻を受けながら死に絶え、生き延びようとする。団令子が演じるお春は朝鮮人慰安婦ですが、特にイデオロギーで気色ばんでいるでもなく、この頃の映画作品にはかなり多く自然に紹介されていた事が分かります。決して性奴隷や単なるビジネスでもなく、朝鮮人慰安婦が三船敏郎に心を寄せたヒロインとして活躍しながら兵隊との運命共同体的な関係であった事を描こうとしているのではと思いました。最初から最後までディキシーランド・ジャズが鳴り響き、聖者の行進の意味を考えさせられます。「お国のために働いている女を馬鹿(PAKA)にするのか」という台詞を耳にするだけでもこの映画を半分以上観たような気にさせられました。また、伊藤雄之助が演じる元葬儀屋が軍規違反で処刑された士官を埋葬する時に「死んだからって靖国なんか行っちゃダメだよ、他の英霊からまた苛められるから」と靖国批判を展開するシーンもこの映画の三割を観たような気分です。しかし、何より三船敏郎のリーダーシップは時代劇に劣らずこのような作品でも輝いていました。
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