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2017年05月18日11:17

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5/6 ランス美術館展@損保ジャパン日本興亜美術館

GW中は混まない穴場的美術展に行くのが我が家の過ごし方。それにしても本当に空いていた。こんなに逸品が出ているのに、日本人が好きなフジタがたっぷりあるのに、ランスって何処?と知名度が低いと人が入らないのね。これはかなりオススメの展覧会。知っている画家も知らない画家も、魅せられる作品がそこここにある。お気に入りを見つけるのが美術館巡りの醍醐味。

http://www.sjnk-museum.org/program/current/4652.html

フランス北東部シャンパーニュ地方にある、ランス美術館のコレクションをご紹介する展覧会です。ランス美術館は、歴代のフランス国王が戴冠式を行った大聖堂で知られる古都ランス市に位置し、初期ルネサンスから現代まで、幅広いコレクションを有しています。本展覧会はランス美術館の所蔵作品から、17世紀から20世紀まで、選び抜かれた作品約70点を展示、華麗なるフランス絵画の歴史をたどります。また、ランス市に縁の深い日本出身の画家レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品群も併せて展示します。

1国王たちの時代

作者不明(フランス)《ルイ15世の娘、アデライート婦人の肖像(と思われる)》
フォト
作者も描かれた人もあやふやな絵だけれど、かわいらしく、髪に飾られたスミレが楚々とした女性像を引き立てている。

同じく作者不明の《ディアナに扮した女の肖像》も美しかった。月の女神ディアナの象徴として頭に小さな三日月の飾りをつけているのがかわいらしい。

2近代の幕開けを告げる革命の中から

シャセリオー《バンクォーの亡霊》フォト
先日西洋美術館でみたシャセリオー、亡霊が放つ光が幻想的。モローが影響受けたのがよくわかる。もう1点の《とらわれの女》もシャセリオーが編み出した女性の美しいポーズ。

ランデル《タンジールのユダヤ人の女》フォト
この頃はオリエンタルなものが流行だったとはいえ、それを抜きに考えても美しい作品、人びとを魅了しただろう。顔右半に思い切って濃い影を落としたあたりがオリエンタルな魅力を更に助長、衣装も美しい。

デュヴュッフ《ルイ・ポメリー夫人》フォト
ありがちな肖像画かもしれないが、気さくで明るく可愛い人柄が表れていて好印象。

コロー《川辺の木陰で読む女》フォト
本?を読む女の赤い帽子と白い本は、筆のほんの一差しなのにそう見えてしまう妙。

ドーミエ《画家》フォト
この画像はよくないが、ひとりカンバスに向かう画家の孤高の姿が尊い。照明の加減でよく見えないと思ったが、右にちょっと移動してみた時に画家の姿が浮び上がって思わず声をあげそうになった程感動。

3モデルニテをめぐって

ヴュイヤールやドニなど好きなナビ派も登場。そして、「本日の“参りました”」はゴーギャンの《バラと彫像》
フォト
花びら一枚一枚の美しさ。溜息。とにかく色が素晴らしかった。これまでも何度も書いているけれど、ゴッホもゴーギャンも好きな画家ではない、でも二人とも静物(特に花)がすごく良いのだ。人物よりもはるかに好み。「好きではない」というのはもうやめにしよう(笑)

この章の中では、ヨーゼフ・シマ《ロジェ・ジルベール=ルコント》が印象的だった。痩せた女(男?)の肖像画なのだけれど今までにみた事がないタイプ。気になって検索したが出てこなかった・・・余計気になる。

4フジタ、ランスの特別コレクション

藤田嗣治はランスのノートル=ダム礼拝堂で洗礼を受け、この地に自ら礼拝堂を建立もした。しかも2013年、2014年には遺族が作品をランス美術館に寄贈している。ランス美術館がフジタ作品所蔵数では欧州一の美術館だなんて知らなかった。
この章ではその礼拝堂の壁画の実物大下図が圧巻だったが、洗礼以降の絵はあまり好みでないのでさらっと。

チラシにもなった《マドンナ》フォト
褐色の肌を持つ聖母とケルビム。アフリカ系アメリカ人の女優がモデル。《授乳の聖母》は、聖母の周りにいろいろな動物の母子が描かれていて楽しい。
でも私が最初に手にした初期のチラシは、ゴージャンの薔薇だった。マドンナだったら行かなかったかもしれない(笑)

そしてフジタと言えば《猫》フォト

また、写真を元に描いた7歳児の自画像は珍しかった。

6月25日まで
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