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「僕が望んだらそうなるんだろうか? それとも、何もかも始めからあって、僕はただそれを言い当てたってことなんだろうか?」
「その両方です」
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大人になっても読みたいファンタジー、この一冊を一番に挙げる人も多いんじゃ無いでしょうか。
改めて読みまして、改めて感動でした。
自分の内側の精神世界、幾つもの世界が単独だったり重なり合ったりしながら無数に拡がる世界観。しかもそれらはひとりでに物語を紡ぎ上げてくれている。
あるときは妖怪の森に、あるときは文学の山脈に。あるときは悲しみの海で船を漕ぎ、あるときは輝く田園の散策を楽しむ。歴史上の偉人も親しい友人として登場し、憧れや響きといった抽象性の具体物とも交流する。
行く先々では、以前には無かった物語が歴史となって作られていて、そこに交じって新鮮な世界を楽しむ。すぐに来る別れは惜しいけれど、また来る続きを楽しみに思う気持ちが嬉しく残る。
そんな世界観。
このNever ending storyの影響を色濃く受けた世界観そのままでした。
それに気づいた再読。
驚きと共に、こうした豊穣な世界観を幼少の頃から授けてくれたエンデに心からの感謝を。
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