相反するものが同居しているということは、
その中でバランスをとって操作していくことである。
つまり、相反するものが作用している状態を
ギリギリのところで維持していくということである。
この緊張状態を避けるために「割り切り」を
行った場合、片方の作用が無くなりバランスを
崩してしまうのである。すると、たちまち生命力を
失う。
宗教で言えば、中道・中庸。仕事で言えば、標準
であろう。
たとえ話に、「部下の置かれている状況に応じて
語ることが違う」という話がある。これも矛盾として
捉えられることがあるようだ。
動作の早い人には「慎重に」と指示し、動作の遅い
人には「テキパキするように」と指示するといった具合に。
「方針」として見たときに矛盾と捉えられるが、
「標準」を示すとしたときに人によって言うことが違うのは
合点がいくのではないか。
正確さのために速さを疎かにしてはいけない。
速さのために正確さを疎かにしてはいけない。
この絶妙なバランスに矛盾を垣間見られるのである。
その矛盾を抱えられる精神力の高さが生命力の維持に
繋がる。
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