mixiユーザー(id:17423779)

2017年09月21日04:49

2014 view

散りはてて花のかげなき木(こ)のもとにたつことやすき夏衣かな

散りはてて花のかげなき木(こ)のもとにたつことやすき夏衣かな
 前大僧正慈円
 更衣をよみ侍ける
 新古今和歌集 巻第三 夏歌 177

「散りはてて花の下陰のない新樹の下に気楽に立っていられる夏が早くも来て、楽に裁てる夏衣を着ることだ。」『新日本古典文学大系 11』p.68

拾玉集[慈円の家集]「詠百首和歌」。
本歌「今日のみと春を思わぬ時だにもたつことやすき花のかげかは」(凡河内躬恒 古今 春下)。
更衣(こうい・ころもがえ) 年に二回、四月(夏)と十月(冬)朔日、衣装をはじめ調度類の交替をする。催馬楽「更衣」のように冬のそれを謡ったのもあるが、歌題では夏に限る。
花のかげ 花の反射光をもいうが、ここは本歌と同じく下陰と解してよい。
たつことやすき 本歌では立ち去る、立つ、両様の解があるが、ここは立つで、樹下にたたずむこと。それに「夏立つ」の意を掛け、さらに「裁つ」を掛ける。
「木のもとにたつことやすき」は今は散る心配がないからで、「裁つこと易き」は単(ひとえ)だからである。
「更衣」の歌。

慈円(じえん 1155-1225)平安時代末期から鎌倉時代初期の天台宗の僧。藤原兼実の弟。
千載集初出。新古今入集九十二首(西行に次ぐ第二位)。勅撰入集二百六十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では僧正遍昭と番えられている。
小倉百人一首 95 「おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染の袖」
http://bit.ly/WUEMmA
http://bit.ly/15WrmqA

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する