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2016年05月27日05:06

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茂き野(の)をいくひとむらに分けなしてさらに昔をしのびかへさん 西行法師

茂き野(の)をいくひとむらに分けなしてさらに昔をしのびかへさん
 西行法師
 題しらず
 新古今和歌集 巻第十七 雑歌中 1678

「この一面に草の生い茂った野を幾つかの草むらに区分してみた上で、改めて昔の記憶をよび戻し思い出に耽りたいものだ。」『新日本古典文学大系 11』p.489

西行法師家集「為業(ためなり)朝臣、常磐にて古郷述懐といふことを詠み侍りしにまかり逢ひて」。
山家集。
御裳濯河歌合。
本歌「君が植ゑし一むらすすき虫の音のしげき野辺ともなりにけるかな」(御春有助 古今 哀傷)。
茂き野 廃園をさす。
いくひとむらに分けなし 幾一叢で、この叢は昔の前栽、ここは築山、島等と見当をつけること。
参考「里は荒れて人は古りにし宿なれや庭も籬も秋の野らなる」(遍照 古今 秋上)。
「古里」に寄せる懐旧。

西行(さいぎょう 1118〜1190)平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士・僧侶・歌人。
詞花集初出。新古今集入集九十五首(最多歌人)。勅撰入集二百六十七首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では在原業平と番えられている。
小倉百人一首 86 「なげけとて月やはものを思はするかこちがほなる我が涙かな」
http://bit.ly/19NwbaG http://bit.ly/14DbHMb
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