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2015年07月04日21:54

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うたわれるもの偽りの仮面OP  【ヌエドリ】を全力で考察する

長文注意。


遊辺です。


ついカッとなってやった。後悔はしていない、、、どころかむしろ久々に熱くなれたことが嬉しかったりする。



改めてOP。





そしてOP曲【ヌエドリ】の歌詞。
聞き取りのため(仮)です。



永時 たまゆら
音なく 満ちゆく月 闇へ浮かぶ
高き空 ただ馳せらむ
ヌエドリ うらなき子守唄

聴こえくる聴こえくる歌は
狂おしいほど君を映し描きて
寂しくて寂しくて 眠る
逢えぬ運命なれど 想い満ちては
いつかまた逢えると信じて








読み解くキーワードとしては、サビ前の

【ヌエドリ うらなき子守唄】

でしょうか。
とにかく普通に歌詞を追ってもここだけ脈絡がないので、調べました。



そもそもヌエドリってなんなのさ、とググるりますと。

1、トラツグミの古名。鵺鳥。

と出ます。

てかまず「鵺鳥」って字面がただものじゃない感じ。



トラツグミですが、こんな鳴き声をしております。






やたら高いですね。
主に夜更けから明け方に鳴くもので、寂しげな鳴き声から物悲しい気持ちを綴る和歌として詠まれております。


検索して最初に出るのは、柿本人麻呂が詠んだ万葉集の和歌でして。



原文: 吉哉 雖不直 奴延鳥 浦嘆居 告子鴨


よみ: よしゑやし、直(ただ)ならずとも、ぬえ鳥の、うら嘆(な)げ居(を)りと、告(つ)げむ子(こ)もがも


訳: たとえ直(じか)に逢えなくても、ぬえ鳥のようにひっそりと泣いているよ、とあの人に伝えてくれる子がいて欲しいです。



お分かりかと思いますが、「ぬえどり」と「うらなき」は枕詞と掛詞に当たります。


枕詞としての「ぬえどりの」で検索は以下の通り。


鵺鳥がもの悲しく、人を恋い慕うように鳴くところから、「のどよふ」「うら嘆 (な) く」「片恋」に掛かる。


「うらなき」はもとは「うら鳴く」でしょうか。
トラツグミの鳴き声と日本語の音から、「鳴き」に「嘆き」の字が当てられたのでしょう。


「のどよふ」は「か細い声」とありますので、
つなげると「ぬえどりの」という枕詞からは、「(相手を)偲んで、か細い声で泣くこと」とイメージできます。



……ここまで来ればはっきりしますが、
結局のところキーワードの「ヌエドリ うらなき」以外の歌詞は、そこからの派生と捕捉に過ぎないわけです。


よくぞまあ「ヌエドリ」というタイトルを付けたものだと思います。古文サイコーってことですねハイ。








――さて、ここからは連想ゲームですが。



いろいろな漫画アニメゲームでご存知の方も多いと思いますが、「ぬえ」とはまた、妖怪の名前でもあります。


最初に妖怪「ぬえ」があり、ぬえの声で鳴く鳥で「ぬえどり」になったのだろうか、とか思うのですが、ウィキ先生によると逆なんだそうで。


「鵺」の漢字が示す通り、そもそもは鳥。


妖怪・鵺の初出と言われる平家物語では、
「夜な夜な東三条の森から暗雲に身を隠してやってきては、ときの近衛天皇の御所を脅かした怪物」
という記述がなされています。
当時の出世頭である源頼政がカッコ良く弓を射たところ、暗雲の中から、頭は猿、体は狸、尾は蛇、手足は虎という奇妙な怪物が捕らえられた。
鵺の声で鳴くことから、この妖怪を「ぬえ」と呼ぶようになった。

正体のわからない妖怪の仮称が「鵺」だったのですが、そちらのほうが有名になってしまったので、妖怪「鵺」との差別化で「鵺鳥」と一文字足したわけです。
実質同じものなのですな。

記述から、ライオンの頭、ヤギの胴体、毒蛇のしっぽをもつ、西洋のキマイラを思い出すでしょう。
ギリシャ神話で、怪物の王・デューポーンとエキドナの娘として登場します。この二人の子どもにはヒドラとかケルベロスとか有名どころが多いですね。


横道にそれましたが、ぬえもキマイラも、「正体のわからないナニカ」なのです、と。

そして、そこから転じて、鵺は「正体のわからない・得体のしれない人物」を指すこともある、と。

さらに鵺から鵺鳥への変遷の因果を逆転して、鵺鳥=鵺として考えるとき、「ヌエドリ」のタイトルが少し怖く思えてきませんか。



「(相手を)偲んで、か細い声で泣いている、得体のしれない人物」とは、だれか。



クオンじゃないかなぁとか思うのよねワタシ。直感ですが。
なんですか物見遊山の旅って。前作を踏まえるとハクが怪しさ満点ですけれども、クオンだってちょっと分からないですよ、通りすがりと見せかけてからの……って展開はベタですがな。



――と。
こんな妄想をつなげて、「ヌエドリ」ってタイトル秀逸すぎだろ?!とテンションが上がり、考察を書き連ねた次第。



当たるか外れるかはもちろんわかりませんが、ただ今回はアクアプラスが音楽に対してエライ本気なので、つられて深読みしたくなるものです。
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