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2017年03月28日20:57

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ラフマニノフ:音の絵第1番 (op.33-1)

雪の積もった道を歩くのは楽しいけど、すべって転んだら悲惨だ。おずおずと進みつつ、誰に見られても恥ずかしくないように勇ましく少し肩を張り出すように。難しい注文だが、少年期の男はみんな怖さが表に出ないように虚勢を張って生きているようなもんだ。

とてもゆっくりした旋律の主題にも関わらず凄く断片的に聴こえるのは息切れと汗を意地でも認めない追い打ちに煽られているせいだろう。拍子は細かく揺れているが、厳しい寒さにも負けずに前進する行進曲の力強いリズムを崩さない。

後半に至って疲れを引きずるような、ぽかっと抜けた感じが強くなる。いつの間にか主題の旋律はあいまいに消え、コード進行だけにかろうじて支えられるような雰囲気に変わる。それでも最後の力を振り絞って前進しようとする心意気はやっぱり男の子だ。そればかりではなく降り続く雪が見えるような描写性を感じる。それでおしまいだが、終止の仕方がとても印象に残る。《Sergei Rachmaninov(1873.4.1 – 1943.3.28):Etude-Tableaux no. 1, op. 33-1》




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