「高齢者の定義変更」

　「検査入院」に行ってきました。大腸がんの手術を受けて１年３か月、今回の検査は胃カメラのようなものを肛門から差し込んで、大腸の内側をくまなくポリープを探し、手術した接合部の癒着状況の確認をするという本格的なものでした。結果はポリープなしの、完全縫合癒着が確認され、「綺麗でした」と言う事で一安心でした。手術の時は麻酔をかけられて何もわかりませんでしたが、今回は麻酔なしなので、カメラの位置が分かり少し奇妙な気分でした。まぁ、とりあえず一件落着です。

　入院に当たって、昔出張するときにいつも買い求めていた週刊誌「週刊現代」を買い求め、久しぶりに「最近の世情」を確かめてみることにしました。それと言うのも、最近新聞小説の作者や「私の履歴書」の登場人物が僕の年齢より下の方が大勢登場するようになり、「健康保険証」も、「後期高齢者健康保険証」と言う別のシステムの扱いに変わって、いよいよ「死に損ない世代」の仲間入りかと実感させられているから、もうすっかり「時代」が変わってしまって『世捨て人』になってしまったのかと言うのを確認したいという思いもありました。

　ところがどっこい、とんでもないことに気が付いてしまいました。週刊現代の記事は読者層はそのままで、高齢者向けに成長していました。

・「６０過ぎたら減らせる税金、増やせる年金」無くなる配偶者控除、こう対処するのが正解
・目と耳と歯と鼻　やってはいけない手術、飲んではいけない薬
・「生活習慣病薬」飲むべきか飲まないべきか。トップドクター二人が対談
・元国立がんセンター病院長がついに口を開いた。「確かにダメな外科医が多すぎます」

　となんと「高齢者向けの病気の記事」が多いことか！他のネタと言えば

・「マンション格差に備えよ」全国１５０の有名マンション「上がるか」「下がるか」実名で公開
・稲田朋美防衛相の「３億円豪邸」建築で近隣住民とおおモメ
・広島優勝「出戻り新井貴浩」屈辱と意地の物語
・チーム小池百合子次の標的は「都庁役人の天下り」
・「ザ・芸能界」ジャニーズ事務所の掟

　あとはお得意の裸の写真

・のりピー酒井法子驚きの下着エロス
・「ノーパン喫茶の女王」イヴのヘア・ヌード
・高岡早紀「美裸身」独占スクープ撮り下ろし
・「とと姉ちゃん」撮り下ろし３連発　高畑充希　相楽樹　阿部純子

　これでお判りでしょうか？世の中の「高齢者」が、その前の「定年前の予備軍」「前期高齢者」「後期高齢者」が今でも週刊誌の読者として『健康に気を付けろ』『老人クラブの話題を仕込め』『懐かしの女優の裸を見ろ』と言われて購入しているのであって、「現役世代に読者をシフトさせてはいない」ことが確認できたのです。と言う事は、世の中が間違っている。僕らの親の世代のように６０歳で定年を迎えたら「隠居」して、盆栽をいじったり、ゲートボールに明け暮れたりするのではなく、スポーツジムに通い、週刊誌を読み、積極的に社会とのかかわりを保っているのであって、これを「老人」として廃棄するのが間違いではないのか？歳はとっても「ボケもせず、色気も失わず、溌剌とした」ＯＢが、『高齢者扱い』に閉じ込められて、暇を持て余し、時間を無為に過ごしているのではないか？そうして「人口減ダ」「移民受け入れだ！」と騒いでいるのじゃないか？「人的資源の無駄使い」ではないのかと思います。

　実際に僕の子供の頃は「村の渡しの　船頭さんは　今年６０のおじいさん　年をとっても　お船をこぐときは　元気いっぱい　櫓が撓る　♪」と唄われて、６０歳はお爺さんでしたが、今の７６歳は駅に向かって電車に遅れまいとダッシュできるのです。勘違いしてもらっては困ります。「年を取ったから癌になるのではなく、若くても癌になる人はなる」のです。　だったら、いっそのこと「アンチエイジング医療」をもっと充実させて、「８０歳まではみんな生き生き」を合言葉に、年寄りの活躍の場を与え、顔のしわを延ばし、「自力で頑張るシステム＝第二人生選択チャレンジシステム」を作る方が実際のニーズに合致しているのではあるまいか？その方が「社会保障費」に多額をつぎ込まなくても、憲法の言うように「健康で文化的な生活」を長く続けられて、「ピンピンコロリ」により近づけられるように思いますその代わり、若くして「功成り　名を遂げた人たち」はプロ野球の選手のように若い内から悠々自適の暮らしをエンジョイするのもよろしいかと思うのです。

　簡単なことです。「老人」の年齢を、６５歳から８０歳に引き上げ、その間の「活躍社会システム」を作るるだけでいいのですから・・・。