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2017年05月26日18:36

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のび太の本気

発達障害の15歳がコーヒー豆店
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4591112


ドラえもんに出てくるのび太くんは典型的な発達障害だってあちこちで言われてて、実際お医者さんがいうADHDの特徴をのび太くんはほぼ網羅してると思う。

漫画ののび太くんにはドラえもんがついてるけど、現実の「のび太くん気質」のところにドラえもんがやってきて助けてくれるわけはなくて、だけど周囲の理解と支えがあれば「映画版のび太くん」くらいのスペックを発揮できる発達障害の人はそれなりにいるんだと思う。

かくいう僕自身も発達障害で、学生時代の通知表は凄惨だった。

どのくらい凄惨かっていったら、当時は内申点によって受験できる高校が決まってて、当時の僕は「学区内に、受験できる高校自体存在しなかった」って言うレベル。

近所のヤンキーや暴走族が通う公立高校すら、僕には受験資格さえ無かった。

やる気がなくて、サボりまくってて「ヤンキー以下」って評価なら納得もできると思う。

だけど自分なりには真面目に取り組んでるつもりで、だけど先生の言ってることが理解できない、理解できないけど頑張る、けどやっぱりわからない、で、「お前はヤンキー以下だ」って先生に怒られて、通知表にそう書かれて、受験できる高校もなくて・・・っていうのが僕の学生時代の実情だった。

社会人になってからも、就いた仕事の7割は1ヶ月以内にクビになった。

メモを取ってもそのメモ帳を失くしたり、家で見て覚えよう思って、そのまま家に忘れてきちゃったり、「この棚にこの道具がある」って書いてもその棚がどこか分からなくなったり、とにかくまあ実際「ぶっちぎりで使えないやつ」だったと思うし、結果ほとんどの職場はクビになった。

企業だって利益を出すために皆で一丸となって頑張ってるわけで、皆必死に1日のノルマを達成してるのに、僕がミスをしたせいで、それが全部1からやり直しになって夜遅くまでかかる、みたいな事もあった。

そこをクビになたっ時の文言は

「君がすごく真面目に取り組んでくれてることはよく解ってる。だから君という人間を叱ったり怒ったりする気は微塵もないんだ。だけど・・・すまないけど、君がいないほうが仕事が捗るんだ。我々も仕事だから、必死に取り組んでるから、なんというか・・・申し訳ないのだけど、解って欲しい」

みたいな感じで。

悪意や敵意やバカにしてぼくをクビにしたのではなくて、
ただただ純粋に「僕の能力が足りない」為だけにクビになった事を突きつけられた形で、ある意味一番精神的に滅入るアレでもあった。

「お前明日からもう来んな、このクズが」みたいな感じのクビなら「ただ単に自分には合わなかった」くらいで割り切れたと思う。

そんなどうしようもない僕でも、今はエロい絵を描いてネットで売ってわりと結構馬鹿にならない売り上げ出しちゃってたりする。

ぶっちゃければ「普通に一日8時間週5でバイトする」のよりは断然上の稼ぎが今はある。

ほとんど1日3時間も働かなくてそれだけ稼げてるわけだから、相当に恵まれてると思う。

ただガチでやる時は一日20時間くらいぶっ通しで飲まず食わずで絵描いてたりするけど。

僕も、良くも悪くもADHDだからそういうのがあまり苦じゃない。

嫌いな事、苦手な事を20時間やらされたら多分発狂して壁に頭打ち付けたりしだすと思うけど、「嫌いじゃない事」ならむしろ普通の人より長時間集中してられる。

むしろ家族とかが「いい加減一息ついたら?ちょっと集中しすぎじゃない?」みたいに言ってきても「ごめん邪魔しないで」くらいの感じになる。

今でこそ一日3時間の労働で、フルタイムのバイトの平均月収を上回る収入を得てるけど、3年半前、絵を描きはじめた当初は一ヶ月で8本とかしか売れなかった。

金額にして3000円。

だけどうちの両親は「外でちゃんと働いて金を稼げ」とか言わず、「お前がそうしたいと思って、お前が真面目に取り組んでるなら、もうなんだっていい。我々はそれを応援する」みたいな感じで、ただそっとしといてくれて、淡々とそれをやってるうちに固定ファンみたいなのが段々出来てきて、応援してくれる彼らが求めるものを、もっとちゃんと、今より更にクオリティ高い感じで創りたいなって気持ちが湧いてきて、絵のテクニックや流行みたいなのを日々研究するようになって、あとは、ここまで何も言わず、自分のすることを見守ってくれた両親への恩返しっていうか、親の誕生日くらいは何かちゃんとしたものを贈ったり、売り上げが伸びた月は両親になにかうまいものを食わせたり、そういうことがしたいな、その為には多少は稼がないとなっていう気持ちになって、それが今日までずっと頑張りを支えてくれてたのも事実。

自分一人だったら、もう生活保護もらうなり精神病院入るなりして、それが駄目ならもうホームレスでいいやくらいの感じだった。

そもそも生存欲求みたいなのがあまり無い。
死ぬことも別に大して怖くない。
むしろ両親がいつか死ぬことのほうが100倍怖い。

そんな簡単に「死ぬのは怖くない」とか「生活保護受ける」とか言うなよって思うかもしれないけど、50社以上「自分なりに真面目に働いて」クビになった人の気持ちって、多分同じような境遇の人にしかわからないと思う。

先天性魚鱗癬で10代の頃から「結婚して家庭を築くこと」を諦めて生きてきた人の気持ちも、やっぱり同じような境遇の人にしか分からないと思う。

別に「簡単に」言ってるわけじゃないんだ。

自暴自棄とか「もう辛い、死にたい」みたいなのとも違くて、ただただ純粋に「諦める癖がついてる」ってだけ。

だから「あなたは癌です、一ヶ月後に死にます」って言われても、普通に生きることを諦める、それに抵抗がないだけの話。

一人暮らししてた頃も38円の豆腐を半分に切って、それを一食分のおかずにして食べるみたいな食生活だった。

勿論「もっとちゃんとしたもの食べたい」って気持ちはあったけど、月給7万円の朝刊配達しか長く続いた仕事はないし、それで食べれるものって言ったら38円の豆腐と、3パック59円の輝き納豆と、1パック29円のもやしくらいだった。

「もっと色々食べたい」より「色々食べれるほど稼ぐのは自分には無理」って気持ちが勝っただけ。

服は一人暮らししてた8年間の間に1着も買わなかった。
服だけじゃなくてほぼ何も買わなかった。

散々仕事をクビになって「自分自身」に対し諦めた結果なのか、とにかく欲求という欲求がほぼ何も沸かなくなっちゃったんだ。

8年続いた朝刊配達をクビになっていよいよ出来る仕事もなくなって貯金も尽きて、ああ、もうこのまま食べるのやめて死のうかなって思ってた頃、事故の後遺症で片麻痺を患ってる友達に「じゃあ実家帰ればいいじゃん。それが一番だと思う」って言われて、言われるがまま実家に電話して、30歳で実家に戻った。

その後は上に書いたとおり。

もっと早く「親の助け」を得られていれば・・・とも思うけど、むしろどん底まで堕ちたからこそ「ああ、僕はビチグソ以下なんだ、生きてるだけで資源を消費するビチグソ以下の汚物なんだ」みたいな気持ちになって、ビチグソ以下の汚物なら、もう「エロとかそういうのはちょっと・・・」とかまともな人間ぶった事を言う必要もないなってなって、金になるならなんでもいいやって割り切れて、「金になりそうなエロい絵を描く」っていう道が開けたのも事実なんだ。

どうしようもない汚物のくせに、コンプレックスのせいか「周囲によく思われたい、まともな人だと思われたい」みたいな願望が強すぎて、それまでは「エロい絵を描く」なんて選択肢にも入らなかったんだ。

まともぶろうとすればするほど周囲に迷惑をかけて自分も限界になって何もかもが悪くなってったし、逆に「もうまともじゃなくていいや」って吹っ切れた事で、結果的に月収30万とか40万の世界に足を踏み入れる事ができた、という感じ。

勿論エロい絵じゃなくたってなんだっていいんだ。

自分が「やってて苦じゃないこと」で、生きてける程度に稼げることならなんでも。

それを見つけられればこの元記事の彼のように、むしろ「発達障害」であることは客の注目を集める「商材」になる。

自分だって「月収30万稼げるのは100人に一人レベル」とか言われてる同人業界で、絵を描き始めて3年でそこに到達できたのはやっぱり発達障害ゆえの「変な集中力と、変に追求したがる気質」があったからだと思う。

そして、彼にも僕にも言えるのは、それを支えてくれる両親がいたということ。

それがなければきっとただの「落ちこぼれ」のままだったということ。

発達障害は「劣ってる」わけじゃなく、能力が「どこか1方向に偏ってる」って場合が多い。

それを発揮できる状況さえ整えてやれば、普通の人以上のスペックを発揮できたりする。

だけど「まずは普通の事を、普通並に出来てからの話だ」みたいな風潮がある日本では、その風潮のせいでかなり相当の才能が、発揮することすら許されず潰されてると思う。

日本人の平均的な生産性は先進国で最下位を維持してるけど、結局これも、つまりそういうことなんだと思う。

特殊な才能はある、だけど普通の事が出来ない人。

それをほとんど機能させられない、むしろ潰してしまうのが日本の社会。

だから「普通に働ける人」だけしか労働人口にカウントされない。

結果「まともに働ける人」たちがどれだけ頑張っても先進国中最下位って数字なんだと思う。


それぞれの能力を適切に発揮させられる土壌が出来上がれば、日本の生産性は全然盛り返せる可能性を秘めてると思う。

元来真面目な国民性なんだから。

個性を伸ばすことが大事、というのはもう何年も前から言われてるけど、その「伸ばした個性」を有用視する職場は極めて少ない。

だから個性を伸ばしたところで実社会に出れば「ゆとり世代よね」で一蹴されちゃう。

伸ばした個性を活かしやすい世の中にしていくことが肝要だし、その発揮方法を示す人たちが必要なんだと思う。

この元記事の彼のように。

のび太は大概どうしようもないやつだけど、映画版ののび太は急に「できるやつ」になる。

それは、映画版のび太にとって最大の武器が「どらえもんの道具」じゃなく「周囲の支えと、自分の勇気」だからなんだと思う。

普段は周囲から協力を得られないどころか家でも学校でも仲間内でもバカにされて足蹴にされてるから、能力を発揮できないだけ。

発達障害の子供をもつ親御さんに言いたいのは、どうか「普通の事を普通にやれない子供」を「無能」だと錯覚しないであげてほしいという事。

普通と違う能力・・・なんて持ってないかもしれない、だけど、持ってるかもしれない。

それは誰にも分からないんだ。

僕のこれだって、元記事の彼のそれだって、実際やらせてみれば「うおっ!そんな能力あったんだ・・・」ってなるけど、やらせてみないと分からない種類の能力。

場合によっては、「普通の人」よりよほど好条件で働いて、高収入を得られる才能だったりもする。

「あるかないか分からないもの」を信じてあげられるのが親の特権だと思う。

「普通のことが出来ない我が子」を、それでも愛してあげられるのが親だと思う。

子供たちなりの道はその先にちゃんとあると思う。

見つける手助けをしてあげてほしいと思う。

4次元ポケットは誰の心の中にもあるんだから。
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