mixiユーザー(id:15284287)

2016年08月26日17:31

1475 view

ある種の病変の可能性について

高畑淳子が会見 涙で謝罪「大変なことをしてしまいました」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=4161314


以前海外で再犯を繰り返す性犯罪者達を対象に行った脳の検査では、実に7割以上の性犯罪者の脳の前頭前野に何かしらの病変が見られる事が解った、なんていう記事を読んだことがある。

この部位っていうのがつまり良からぬ欲望が湧いた際、それを我慢する時なんかに働く部位なんだ。

そこの周辺に腫瘍があって血流が妨げられてたり、あるいはその部位が見て解るほど萎縮してしまっていたりして、正常に機能しない状態だったらしい。

それまでは性犯罪というのは「欲望が強すぎて」起こるものと考えられるフシがあって、だから一部の国では、性犯罪を繰り返す人には、その欲望を減退、消失させる薬剤投与や手術が行われたりしてた。

だけど、無論チンコや性的欲求を失えば性犯罪は犯さなくなるけど、結局窃盗や他の犯罪で逮捕されて刑務所に逆戻りなんて人や、失った性欲を埋め合わせるように酒や薬に頼って破滅していく人っていうのも多くいた。

近年の研究ではどうやら「異常性欲」が問題の本質なのではなく「性欲そのものは誰しもあるもの」で、そういう欲望をコントロールする機能のほうに問題があるらしいという事が解ってきた。

この彼の場合もあるいはそうなんじゃないかという気がする。

異常性欲があって、抑えきれずやった、とか、女なんてみんな俺のオナホールだぜって常日頃思ってるとかじゃなく、欲望を抑える脳機能が何かしらの要因で阻害されてるんじゃないかなって。

高畑淳子さんが語る「学生時代の息子の様子」などから見ても「宿題が出来なかったり、そもそも勉強をするということが出来なかったり、学校にあまりまじめに行かなかったり、逆に普通ならやってはいけないと言われてることをやろうとしたりしてしまう」ってさ、

「宿題をやりたくない」という欲求は誰しもにある。
だけど皆その「やりたくないという欲求」を抑えて、宿題に取り組む。

この「やりたくないという欲求」を上手く抑え込めなければ当然宿題や勉強を真面目に取り組むのは難しい。

この手の犯罪が起こる度に、これはそういった脳の病変に起因する事件なんだろうか、それとも単に悪意によって起こった事件なんだろうかっていうのを考える。

本当の悪意で事件を起こすっていうのは、女なんか全員レイプされて俺の子を孕んじまえばいい、女に人権なんかねえんだと常日頃ナチュラルに思ってる、そういう考えの人が、その考えに従って犯罪を起こすこと。

そうではなく「女性を不当に扱うのは悪いこと。間違ったこと。してはいけないこと」とちゃんと理解してしてるのに事件を起こしてしまう人は、やっぱりなにかしら脳に病変があるんじゃないかって思ってしまう。

そうだとしたら、これは単にモラルや社会性を教えこんだり、刑罰の厳罰化でどうにかできる問題ではなくなってくる。

どれだけ正しいモラル観念を身につけて、どれだけ厳罰化したところで「そう解ってても我慢する脳機能が働かなくて犯罪を犯してしまう」んだから。

現実、世界の多くの国を見てみた場合、性犯罪に対する刑罰が重い国は、他の国と比べて犯罪が少ないかというと、全然そんなことはない。

ヘタすれば普通の国より刑罰がやたら重い国のほうが性犯罪が多かったりなんてことさえある。

これは単に「ほんのちょっとした欲求の発露でもどうせ逮捕されて破滅するなら、いっそ思う存分レイプしまくって逮捕されよう」みたいな心理が働いちゃうかららしいけど、それはそれとして、厳罰が犯罪抑止にならない現実を見るに、やっぱり脳の病変を疑うほうが現実的な気がする。

そして上記の性犯罪者たちの脳の異常に対して、例えば腫瘍があるならそれを手術で取り除いて、萎縮してしまって機能が上手く働かないなら、機能を取り戻す薬を毎日服用させて、みたいな対策を講じてみたら、それまで何度逮捕されても性犯罪を辞められなかった人がピタリと犯罪を犯さなくなった、みたいな事例も幾つかあるらしい。

結局のところ脳の問題なのだとしたら、それは「悪意」を前提とした犯罪で片付けるのではなく、「病気による疾患がもたらしたもの」という認識を持って対処にあたることが肝要だと思う。

「性犯罪は病気だから許そう」って話じゃなくて、脳医学的な観点から「異常の改善」を試みないと性犯罪は減らないかもしれない、逆にそれで改善できる見込みがあるなら、性犯罪で人生の破滅に追い込まれる人や、その被害者になる人を減らせるかもしれないっていうそういう話。

性犯罪を犯す人の多くが「失うもの」を持ってる人で、だから犯罪を犯した後めちゃめちゃ後悔する。
「もう二度と過ちは犯すまい」と固く心に誓う、にも関わらずその多くが再犯を犯してしまう。

性犯罪の再犯率が他の犯罪と比べて圧倒的に高いことを鑑みるとやっぱりこれは脳の病理的な問題なんじゃないかって。

こういう考え方が普及して、病理的なものとする研究がもっともっと進んで、「自分はそういう抑制能力に少し問題があるかもしれないな」って感じる人は早々に心療内科を受診したりMRIで脳を診てもらうのが普通になって、そういう要因で心療内科へ赴く人を「性的異常者」として扱うんじゃなく「あー、あなたもなのねw男は大体みんなそうねw」くらいに社会に抵抗なく受け入れられるようになっていったら、少なくとも今よりはこういう犯罪を減らせる気がする。

この手の犯罪は被害者だけじゃなくて、加害者自身やその家族が失うものも非常に大きい。
全員何かを失うだけで、誰も得をしない。
なのに起こってしまう。

そろそろ「あいつは異常な性犯罪者」で片付けるんじゃなく、抜本的な改善策を講じてみていい頃合いなんじゃないかと思う。

最初に書いた海外の研究なんかもそうだけど、こういう性犯罪の本質を研究する機関に対して政府が投じる金は決して多くはなくて、だからそういった研究や試みは非常に規模が小さくて、「脳の病変によってこういう犯罪が引き起こされる可能性」も一般論化できるほど大規模な検証に基づくデータとはいえない。

だけど人々の意識が「もしかしたら実際脳の病変によるものなのかもしれないな」って方向に傾いていけば研究機関に対する国や企業からの支援は大きくなるし、研究が進んで成果があがれば結果としてこういう事件の被害者、そして「犯罪者になって人生を棒に振る人」を減らしていくことが出来る。

高畑淳子さんの謝罪会見なんかを見て胸が痛むなぁと感じる人は、こういう事をちょろっと考えてみてもいいかもねっていう、そんな感じ。
37 17

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する