昨日は新ヴィーン楽派の歌曲、本日はヴィーン古典派三羽烏すなわちハイドン・モーツァルト・
ベートーヴェンの作品を集めた、極めてオーソドックスなプログラムを前音楽監督H.スダーン氏
指揮で拝聴して参りました
スダーン氏はいつもの通り（ということが過去の演奏会を聴いてわかりました）指揮棒を持たず、
本日は古典派ということで編成も室内楽風なので指揮台もありません
まずはハイドンの通称ザロモンセットの中の1曲、交響曲「軍隊」です
ワタシはハイドンの作品は積極的に聴いたことがなく、もしかしたら初聴かもしれません
そうではないとしても聴いた記憶がないので、初聴に等しいです
交響曲の父と言われたパパ・ハイドンには申し訳ないです
指揮棒を使う場合には、拍を右手で振り、左手はもっぱら表情をつけるのに使うのですが
さしずめスダーン氏は左手を2本使うがごとし、デュナーミク・アゴーギクを極めて精緻に
両手で指示して、オケはその通りに演奏します
ピリオド奏法というものをワタシは良く知らないのですが、弦楽セクションを見るとヴィブラートを
控えめにしているようで、派手できらびやかな音ではありません
それがデリケートな表情付けを際立たせていました
しかし「軍隊」というだけあって、打楽器セクションはシンバル、トライアングルまで大活躍でした
第2ステージはヴァイオリンの堀米ゆず子さんをソリストに迎え、モーツァルトの協奏曲第4番
ワタシは第5番が好きで、都響では2度ほど聴いておりますが、本日の曲目はこれまた初聴（？）
「タン・タッカ・タッタ」というモーツァルトによくあるリズムで（例えばピアノ協奏曲の第21番）、
この曲もまた「軍隊」と呼ばれているらしいです
モーツァルト19歳のときの作品ですが、ハイドンよりははるかに色んなことを盛り込んでいて
面白さが違います（パパ・ハイドンには申し訳ないです）
堀米さんの音はワタシには硬質に聞こえましたが、グァルネリをお使いだとかいうことで
ワタシには何もわかっていない（所詮そんなもんですよ）
ソリスト・アンコールはなく休憩
ドリンクコーナーにはハイドン�兇気鵑里�姿がありましたが、お一人でくつろいでいるご様子
でしたので、声掛けはせず
最終ステージはベートーヴェンの田園
これはまさか初聴ではありませんが、最近聴いたのがいつだったか覚えていない
自分のmixi日記を検索してみましたが「田園都市線」がヒットするだけです
必ずしも毎回日記を書いているわけではありませんが、少なくともここ数年は聴いておりません
久しぶりに聴くと、やはり名曲で泣きたくなりました
ハイドンとモーツァルトの年齢差よりモーツアルトとベートーヴェンの年齢差の方が小さい
のですが、全然違う音楽です
まるでミニマル・ミュージックのように同じ音型を繰り返しながら、弁証法的に止揚して行き
その総体がソナタ形式になっているという、モーツァルトとはまた別の天才性を感じます
この曲もまたスダーン氏の丁寧な音楽づくりに接すると、今まで漫然と聞いていたことが
恥ずかしくなるほど様々な試みがされていることに気づきます
しかもそれが上岡氏のような、どこかエキセントリックなものではなく、自然に感じ取られます
本日は、特に2CBブロックは空席だらけでもったいない気がしました
でもワタシの右2列前には東条さんのお姿がありました
氏のコンサート日記がアップされる前にこの日記を書き上げなくては
ログインしてコメントを確認・投稿する