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2017年11月19日21:23

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第23回藤沢市民オペラ「トスカ」@藤沢市民会館

藤沢市民オペラに足を運ぶのもトスカを拝観するのも久しぶりです
我が師福永陽一郎先生が市民会館初代館長ということもありまして、
第1回公演のフィガロを観たのは学生時代の1973年
その後就職して時間が無くなったことと、中央線沿線に居を移して
不便になったことを言い訳にして間が空いてしまいました

福永先生亡き後畑中先生が音楽監督に就任され、またワタシも横浜
市民となり、2005年に第19回公演「トゥーランドット」を、2008年には
第20回公演「メリーウィドウ」を拝観いたしましたが、畑中先生も亡く
なられ、再び縁遠くなり今日までご無沙汰していた次第です

今回はぴあにアーティスト登録しているバリトンの大沼徹さんがスカ
ルピアを演じるという事でメルマガで案内が来ましたので、鑑賞する
ことにいたしました

トスカというオペラも有名な割にはあまりナマで観たことはなく、今年の
二期会公演も、新国立劇場での過去の公演も観ておらず、そもそも
その前に二期会が上演した時というと1987年まで遡るわけで、これが
ワタシにとってナマの舞台の一番最近だと思います
また、先日のROH LVの日記に書きましたが、ロイヤル・オペラ・ハウス
の来日公演を観た時の演目の一つがトスカで(タイトルロールをカバリエ、
カヴァラドッシをカレーラス)、この2回だけだと思います
もちろんNHKのイタリアオペラ公演のTV放映は観ておりますし、DVDも
持っていますが、どうもこのオペラ、主人公3人がことごとく死んでしまう
(殺人、死刑、自殺)殺伐とした内容ですので積極的に観たいと思わない

それでも大沼さんのスカルピアを目当てに本日藤沢まで行って参りました

市民オペラではありますが、オケと合唱がアマチュアで、歌い手は二期
会と藤原の混成ですから、もったいないようなキャストであります
 トスカ 砂川涼子
 カヴァラドッシ 村上敏明
 スカルピア 大沼徹
 アンジェロッティ 高橋啓三
指揮は先日ミカドを拝聴した園田隆一郎さん、演出は新国立劇場研修所
のモーツアルト公演で全面的に信頼を置く粟国淳さんです

砂川さんはトスカにはちょっと可憐すぎるし、大沼さんも悪辣な感じよりは
クールな印象を(特に見た目が)受けますが、ミスキャストというほどの
ことはありません
問題は役に一番ふさわしい村上さんがどうも不調で、冒頭の「妙なる調和」
がなんだか不安定、そしてアンジェロッティとの会話で出て来るHの音を
完全にはずし、どきりとさせました
これでは第2幕に出て来るナポレオンの勝利の時に「Vittoria!」と雄たけ
びを挙げるところはどうなることかと案じておりましたら不安は的中
全く声を失ってしまいました(らしからぬ出来です)

それでも終幕の「星は光りぬ」とトスカとの無伴奏の二重唱は無難にこなし
ましたが、一人ブーイングを浴びせた人がいました(これはフェアではない)
多分第二幕後の休憩時間に共鳴のポイント集めを必死にやったのでしょう
から、それを汲んであげなければ

合唱は湘南市民コールと藤沢男声合唱団をメインとしたメンバーですから
破綻もなく、いつもながらの安定した出来栄えでした
なによりも演出が臭い芝居を要求せず、オペラの合唱に徹していたのが
良かったです(鵠沼ジュニアコール他の児童合唱も良かった)

オケはアマチュアですから、あれこれ批評するのはそれこそフェアではない
それでも園田さんがアマだからといって妥協しない音楽づくりをされていた
ので、ときとしてアマチュアであることを忘れさせてくれる瞬間があります
瞬間なので、すぐに現実に引き戻されてしまいますが、とは言え音ではなく
音楽を聴く気にはさせてくれました

というわけで、村上さんにはハラハラさせられましたが、総じてオペラを
聴いた満足感に浸ることができました
福永先生の衣鉢は今も継がれていると言えましょう

大ホールロビーの壁には、船村徹氏を初めとする名誉市民の肖像画が
飾ってありますが、福永先生のお姿がないじゃんと思っておりましたら、
エントランスを入ってすぐのところにレリーフが飾ってありました(そりゃ
そうだよね)

アンケート用紙で次回以降の上演希望作品を問うておりましたので、「真珠
採り」と書いて提出しておきました(採択されるでしょうか)

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