ヴォルゴグラード(ポーランド戦)編

初戦のコロンビア戦でのまさかの勝利、そして第２戦のセネガル戦での引き分け、もうベスト１６への道が見えてきました。そしてそう、この時僕たちはあの８年前の２０１０南アフリカ大会の時と同じ道歩んでいました。８年かけてまた同じ道に戻ってきた、そんな感じがしました。

第３戦のポーランド戦。もうここまで来ると、予選リーグ突破はかなりの確率で見えてきたので、もうヴォルゴグラードへはかなり落ち着いた気分でした。２０１０年南アフリカ大会の第３戦のデンマーク戦前の時とまさに同じ心境でした、今考えれば。「勝ち」「引き分け」と続き、勢いがこの時の日本代表があったので、他の戦友達とも「次引き分け以上なら、問題ない。１点差で負けても、コロンビアが勝てば、、、」などなどいろいろと話しましたが、だいたいみんなの心の中では「まぁもう半分以上大丈夫でしょ」そんな少々楽観的な気持ちが漂っていました。

日本出る前はまさかこんな状況誰も予想していなかったですよね、あの８年前の時もそうでしたが。「もうポーランド戦は予選敗退が決まってただの消化試合」、ワールドカップ始まる前は誰もが全く疑っていなかったですよね。僕もポーランド戦の後すぐウズベキスタンに行く航空券を予約していました。


さて、モスクワからヴォルゴグラードに行くにももちろん僕は無料列車です。この無料列車、はっきり言って「効果絶大」です。何が凄いかって、僕のサッカー仲間が口をそろえてみんな「ロシア良かった」って言っているの。行く前は「恐ロシア」だなんて言っていたけど、ロシアへの感情が１８０度変わったサッカー仲間がいっぱいでした。もちろん、親切なロシア人にたくさん出会えたことも理由の一つだと思いますよ。

でもこんなサポーターへの「大盤振る舞い」、今まで初めてですもんね〜。
プーチンもかなり独裁的で強権的な手腕で政治やっているけど、こういうことやっているから支持率高いんですよね。こうして日本のサポーター達もプーチンの政治手腕に上手く乗せられて「親ロシア」になって帰ってきて、、、、、まさに「アメとムチ」で古代から独裁者が民衆の支持をつかむための常套手段でみんな、、、、

いやいや、ここでそんな政治の話をするのはやめましょう。あくまでもサッカー、ワールドカップのお話を。

ヴォルゴグラードへの列車の車内ではロシア人の家族と一緒でした。

ヴォルゴグラードへの途中、車内で家で作って持ってきた手作りのご飯をご馳走になったりと、親切なお母さんと娘さんでした。こうした親切なロシア人にたくさん会えて、僕もロシアが好きになりました、、、。また「苦行の中の良い思い出」ができました、、、。


モスクワからおよそ１８時間かけて到着したヴォルゴグラードですが、熱い！クソ熱い！もう昼間は４０度超えてるんじゃないかというぐらい熱かった。もうヴォルゴグラードの街の思い出はそれぐらいです。まぁヴォルゴグラードも典型的はロシアの地方都市で、特に見る物も何もないということもあるんですが、ただその中でも一つ有名な巨大な女神像


試合前クルージングに乗って川から見物です。できれば、近くまで行って拝みたかったですが、もう熱くて行く気力も僕にはなかったです


そして試合は０−１で負けましたが、R16進出決定！！！おめでとう〜！！！
でも、試合終わる直後にはもう日本もポーランドもやる気なくして、ただお互いボール回していただけでしたよね。スタジアムで見ていたロシア人はチョープーイング。事情を知らない僕は「一体どうしたの？？？」とただただ戸惑って試合を見ていた。
あれはおそらく日本も「コロンビアが１点リードして勝っているから、このまま２位抜けでR１６いければいいや」とポーランドの「予選敗退しても、とりあえず１勝すれば、メンツ保って国へ帰れる」の利害がお互い一致した行動だったんですね。

これには日本国内のテレビやネットでも賛否両論あったようですが、僕個人の意見としては「まぁ勝ったから、別にいいんじゃない！」です。特に現地観戦している日の丸男子の僕にとっては、これでもう１試合楽しみが増えたんですから、もうそれに越したことはないです。楽しければそれでいいんです、ワールドカップは。


試合後もたくさんのロシア人と写真を取り交流しましたが、中でも良い思い出になったのがこの僕が頭に着けている赤、白、青のロシア国旗を表す被り物。写真に写っている小さな男の子達からプレゼントされました。もちろん被り物自体そんな高価な物ではないですが、こうした親切がとてもうれしいです。こうして僕も「親ロシア」になっていきました、、、。

「人間の心って複雑でわからない」と思うこともあれば、「人間って単純」なんてこともある、このヴォルゴグラードの思い出を書きながら、そんなことまで思ってしまいました。ワールドカップってホント不思議な魔力があります

さあ、次はいよいよ僕の今までのサッカー観戦歴の中で一番心に残る試合となったロストフです。大泣きしたロストフです