アニメスタイルイベント第１００回「アニメで鳥肌が立った瞬間」
７月２６日（日）１９時から開催。ニコ生で配信を視聴。
出演は、アニメ様こと「アニメスタイル」の小黒編集長、サムシング吉松、佐藤順一、神山健治、橋本敬史、谷口淳一郎の各氏（順不同、敬称略）。
アニメ様は珍しく白いＴシャツで登壇。ニコ生のコメント欄で「小白さん」と言われる。
出演者総登場で挨拶と乾杯の後、一旦はけて、まずはアニメ様とサムシング吉松さんの２人で『まど☆マギ』の話などから。
アニメ様の「鳥肌が立った瞬間」は『とんがり帽子のメモル』第２５話『二人を結ぶ風の手紙』。若き日のサトジュンさん（当時２３、４歳）の代表作。第１０話『みんなそろって忘れ草』もおすすめ。元々漫画家志望の佐藤さんのコンテの絵の上手さにも注目。ラフ原的なものも付けていたそう。
吉松さんの「鳥肌・・」はこれも佐藤さんの『魔法使いＴａｉ！』。
アニメ雑誌の企画でスタジオ訪問したり、作中に習って公園で鉄棒をまたぐ練習をしたりした思い出の作品だそうです。
ここで佐藤順一さん、神山健治さん再び登壇。
佐藤さんから『メモル』２５話について、２３話の久岡敬史さんの回で盛り上がったので、それに負けないように頑張った。作画枚数は破格の４０００枚。脚本を変えても結果的に出来が良ければあまり怒られなかったとのこと。
佐藤さんの「鳥肌・・」は『宇宙戦艦ヤマト』のオープニング。松本零士の漫画が好きだった。音楽含めて世界観に鳥肌。
家のテレビの前にカメラを置いて写真を撮っていたが走査線に手こずった話や、カセットテープにテレビの音声を録音していた等の同世代アニメファン話で盛り上がる。
もう一つの「鳥肌・・」は新海誠作品『クロスロード』（Ｚ会のＣＭ）。
音楽と映像のマッチング、風のなびき方の描写の違いに鳥肌。ネットで視聴可能。
『メモル』に戻って、貝澤幸男さんについて。貝澤さんは長野の山奥で育った人なので、自然に対する観察眼が違う。大自然の中の夕日の大きさの表現など。
神山さんの「鳥肌・・」は『ガンバの冒険』。小３の頃に見て、テレビを見ながら模写をしていた。鉛筆のタッチのある絵が好きで、軍艦島を舞台に、海に沈んでいる缶詰を拾う話が印象に残っている。
ねずみの歌が最終回に利いて来る展開は後に自作『精霊の守り人』に影響が表われている。
『ガンバ』はＮＨＫのアニメ夜話にゲストで呼ばれるほどファンである。
もうひとつの「鳥肌・・」は『機動戦士ガンダム』（コメント欄で「やはり」の声あり）。
神山さんとしては『ヤマト』以上にこれであると。
演出家が意図していないと生まれない作品。アムロは今で言うオタクで、巻き込まれて主人公になっていく。これはオレたちの話だと。
アニメとは、作画、ストーリー、演出が三位一体となるとこれほどすごいのかと鳥肌。安彦良和になろうと思った。
『翔べガンダム』（アムロがブライトさんに殴られる話）が第９話なので、１クールの前に転調点を持って来るのが大事と学んだ。
続いて谷口淳一郎さん、橋本敬史さん登壇。
谷口さんは今日の「いい人」担当と言われる。野球をやっているそう。
谷口さんの「鳥肌・・」は劇場版『銀河鉄道９９９』。青木望さんの音楽との絡みに鳥肌。
メインタイトルが出る場面を泣きたい時にリピートして見る。
持参した設定資料集のムックからそのカットの写真を紹介、りんたろうさんの絵コンテのメインタイトルでは、バックの地球と「銀河鉄道９９９」の文字の位置関係が逆になっていることを示す。
しかし谷口さんは作画担当者に詳しくないことに横にいた橋本さん、大ショックを受ける。
橋本さんはアニメージュの付録の『未来少年コナン』の絵コンテでコンテの見方を覚えた。
今高３の娘さんに小さい頃からコンテや原画を見せて育て、２歳にしてタイムシートが読めたという。原画と修正原画を見せてどちらがいいか訊いたりの英才教育ぶりがすごい！
橋本さんの「鳥肌・・」は「磯光雄担当作画パート」として『機動戦士ガンダム００８０ポケットの中の戦争』『電脳戦隊ヴギィ‘ズ★エンジェル』『ＢＬＯＯＤ ＴＨＥ ＬＡＳＴ ＶＡＭＰＩＲＥ』。
橋本さんにとって磯さんは神で、神の更に上に金田伊功、山下将仁さんたちがいる。
磯さんの作画のリアリティ。通好み、玄人好みで全原画の人。２４コマ以下の絵を残像などで原画に盛り込む。１枚の絵の魅力がある。
持参したバッグの中の大量の原画コピーの中から版権に考慮しながら『００８０』のハイゴッグ襲撃の１カットを披露。磯さんは設定以上のものを描いている。
橋本さんがやった『ドラクエ�検戮痢屮妊好僖譽后廚如■吋�ットだけ磯さんが参加しているが絵コンテからの飛躍がすごい。
手元に日本中の上手い原画のコピーがあるという橋本さんの熱くて濃いトークが炸裂。実に聴き応えがありました。
休憩を挟み、再びアニメ様とサムシング吉松さんで、吉松さんの参加作でソフト発売も近い『新世紀ＧＰＸサイバーフォーミュラ』について。
第３６話『三強激突！日本グランプリ』はラス前（最終回は３７話）のスタジオライブの総力戦。
再度、全員が登壇して近況報告。現在手掛けている作品紹介。情報解禁前で話せない部分もあり。
神山さんは近々２本発表になるらしい。
橋本さんの近作は『ガッチャマンクラウズ』。『虐殺器官』の予告には担当分の原画がたっぷり使われているとのこと。
メイントークを終え、３時間の配信はここで終了。壇上ではトークが続いた模様。
終了後のアンケートでは「良かった」が圧倒的な中、「良くなかった」も３人（％から推測）。
映像が見られると期待していたのだろうか等とコメント欄で推測されていた。
とにかく長時間の配信予定を取って頂いて、トークもほとんど堪能出来てとても面白かった。
関係者の方々、どうも有難うございました！次回も期待しています。
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