【映画感想】お父さんと伊藤さん（’16）

上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也らが出演する映画『お父さんと伊藤さん』を観ました。

劇場公開していた時に、なんとなく気になっていたものの観ることなくスルーしてしまったので、ようやく観たと言う感じです。

淡々とした日常譚は好みですが、当たり前のようにそこにあるのが「就職」「結婚」「子育て」等から縁遠い生活を当たり前としている人たちで、そこに行き場をなくした「老父」が登場するとなると、なんだか他人事とは思えないリアリティを感じてしまいます。

とにかく観ていて思ったことは、まずリリー・フランキーはやっぱりいい味出すな〜、とか…

上野樹里がものすごく可愛いと言うか、女性として好みすぎる！とか…

藤竜也の出ている映画ってあまり観たこと無かったけど、年季の入った良い演技をするな〜、とか…

まあ、そんなことをぼんやり思いながら観ていました。とにかく淡々と進むので、あまりこちらも激しい感情が起きないのです。それがこの作品の味なのだと思いますが、強い印象も残さない感じかもしれません。登場人物たちも結局成長しませんし、ラストもそれほど感動的には感じませんでした。伊藤さんに背中を押されて彩は施設に自分から入ると言う父親を追うのですが、それって本当に父親のためかな？もしも、何があっても家族は一緒に暮らすべき！と言うのが原作者である中澤日菜子や脚本の黒沢久子、監督のタナダユキの考えだとしたら、それは違うのじゃないかと言いたいですね。あの父親ならば、自分で探し、自分で契約した施設に、自分のお金で入る事が良いのではないかと思われてなりません。

そんな物語は別にして、とにかく上野樹里は良かった。父親に対する態度、兄に対する態度、伊藤さんに対する態度とどれも取っても良くないのが、いかにも「妹」って感じが出ていて良い。そうでなくても上野樹里は好き。