三浦瑠麗氏が朝まで生テレビで「今上は主上と一緒で完結した敬称です。」という発言をしたことがネット上でちょっとした話題になっています。
まず、この点を言えば、『今上陛下(天皇陛下)』、『先帝陛下(昭和天皇)』、『明治聖帝(明治天皇)』「のように使い分けているのがスタンダードだと想いますので『今上陛下』とお呼びするのが便宜上、社会通念上においては適切でしょう。
しかし、もっと言えば『今上天皇』とお呼びするのが本来の呼び方ではないかとも思います。
では、『天皇陛下』と敬称をつけて表現するのと、『天皇』と敬称なしで表現するのは、どちらが正しいのか?
それは、どちらでも間違いではないのです。
『天皇』とはその名の通り権能そのものを示す威厳のある言葉です。
明治天皇以前の天皇を陛下と昔の人は表現していたかと言うと違います。
『すめみまのみこと』『すめらみこと』『すめらぎ』『すべらぎ』『すめろぎ』『お上』『天子』『聖上』『帝』、色々と聞いた事があると想いますが、明治時代になって議会政治が発足して明治天皇が立憲君主となられた時から『陛下』という敬称をつけているわけです。
『皇太子殿下』の『殿下』も本来は必要ではなくて『皇太子徳仁親王』で正しいわけです。
しかし『皇太子殿下』でも私は問題ないと思います。
首相や大臣や将兵を『閣下』と呼ぶのも議会政治が発足してからの習慣で、それ以前は征夷大将軍や関白が為政者として『天皇』から政(まつりごと)をお預かりしたわけです。
故に、徳川幕府が政を『お返し』した事を大政奉還と言います。
帝号、尊号、敬称、爵位、軍階級、別称などを調べるともっと色んな言葉がでてきて勉強になると思います。
なんというか、三浦瑠麗氏は頑なすぎるという感じがします。
もう少し持論を述べられる際に肩の力を抜くべきだと感じます。
つまり『今上』でも間違いではないと思いますが、『今上陛下』も間違いではないのです。
社会通念上において『今上陛下』もしくは『今上天皇』と表現しても差し支えありませんし、「今上は主上と一緒で完結した敬称です。」と頑なに否定するような事でもございません。
『すめらみこと』が完結した帝号というわけではありません。
学術的な見地が全てにおいて正しいというものでもないと思います。
何れにせよ大切なのは敬称云々の議論ではなく、日本の國體とは何かをしっかりと認識することだと思います。
了
参照:三浦瑠麗が朝生で「今上が」を連発。twitterで「完結した敬称」と開き直る事態に
http://www.media-japan.info/?p=2786
参照:皇居、及び、皇族呼称など
http://www.sol.dti.ne.jp/hiromi/kansei/r_mikado.html#Tenno
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