7年間監禁された女性と、監禁中に生まれ、5歳になるまで外の世界を知らずに育った息子。
観る前は、ややカルト的な内容の脱出劇かと思っていたが、むしろ脱出後の社会復帰がテーマになっている。
その分、失われた人生を取り戻そうとする一人の女性の苦悩と、デリケートな感性の子どもが次第に社会に適応して行く姿がみずみずしい感じで、結構爽やかな印象を与える。
何より、感性豊かな少年を演じる子役の演技が印象的。
同時に、最近日本でも同じような事件があったし、現代社会での人間の歪んだ性なども妙にリアルに伝わってくるようで、少しばかり恐ろしさも感じさせられる。
決して非現実的な話ではないわけで、世の中には、突然、本人の意思に関わらず人生を失ってしまう人もいるかもしれない、というわけで、これが今の社会の盲点でもある、ということも知っておくべきか。
★68点
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