「即婚」は、いいと思います。

随分前の話になりますが、

ある教え子の女子大生が私のところに来て、
「愛情が持てる人と結婚したい。経済的なことは、それから二人で築き上げていく。」
と言いました。

私は、即座に「それは、違う！」と言い、理由を説明しました。

まず、
器量、才覚…に乏しい男が、結婚したくらいで、「経済的なこと」を築き上げられるはずはありません。
正直言って、出世にしても商売の成功にしても、成人すればもう定まったも同然です。
努力を万能だと考えることほど、ナンセンスなことはありません。
たとえば、私が２０歳に戻ったとします。そうしたら、落とし穴などを知った上で院生生活をやりなせます。国文学の研究はよりよくできるかもしれません。ある程度は、自分に向いている道だからです。
しかし、商売人として財を築くとか、官僚になって出世するなどのことは考えられません。自分に向いた道ではないからです。

だから、女性側としては、
仮に、「裕福な暮らしをしたい」と思ったら、そういう才覚や能力（学歴や実家なども含めて）背景を持っている人と結婚するしかないでしょう。

愛情はどうか…というと、
これぞ、「二人で築き上げていく」ものです。
私は男性ですから、「あの子、可愛いな」という心理を経験したことがありますが、それは愛情とは違います。

どんなにバカな子でも、子どもだったら無条件で可愛いわけです。
お互いに親子だという自覚が生まれて育まれる愛情です。
同様に、夫婦として暮らしたら、単なる異性云々というよりも深い関係になります。
夫婦となってから築いていくものではないでしょうか。

だから、極端なことを言うと、どんな異性でも（異性によりけりですが、６０％くらいの相手は）夫婦として暮らしたら、愛情が持てると思います。原動力は、決して色恋ではありません。

そうでなければ、世間に五十過ぎて円満な夫婦がいる（それも例外ではなく多い）という現象を説明することはできません。

私も別の女と結婚したら、別の人生を送ることになりますが、その人には一定の愛情を持ち、子どももかわいがると思います。仮に、学部時代に戻り、ゼミで一緒だった子８人から、二人除いて（性格が悪すぎるのと、ヤリマン。この二人は、勘弁です。）、籤引きで相手を決めろと言われても、乗ってもいいと思います。


キリスト教的な男女観の、「運命の女」などという概念を浅薄に解釈したから、「第一に愛情が必要だ」という流れが出来たと思います。しかし、本当にそれが正しいか。きれいごとにだまされないようにしないといけません。

Femme fatale（運命の女）とは、
新約のサロメのような、男を破滅させる悪女のことです。



■「即婚」求める女子大生、婚活会員「男女差」逆転した時は？　婚活アドバイザーと振り返る「平成30年史」
(ウィズニュース - 12月07日 07:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=220&from=diary&id=4892662