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2016年04月30日20:45

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イタリア映画祭開会式&『素晴らしきボッカッチョ』

イタリア映画祭開会式&『素晴らしきボッカッチョ』

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 イタリア映画祭開会式にはえらい来賓に続いて、来日中のゲストがズラリと登壇されます。
(右から左へ)

『処女の誓い』監督のラウラ・ビスプリ
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『あなたたちのために』の監督ジュゼッペ・M・ガウディーノと脚本家のイザベッラ・サンドリ
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『フランチェスコと呼んで−みんなの法王』監督のダニエーレ・ルケッティ
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『皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」』監督のガブリエーレ・マイネッティと主演のクラウディオ・サンタマリア
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『待つ女たち』監督のピエロ・メッシーナ
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『私と彼女』監督のマリア・ソーレ・トニャッツィ
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『オレはどこへ行く?』『フランチェスコと呼んで−みんなの法王』プロデューサーのピエトロ・ヴァルセッキ
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一通り挨拶をされて開会式は終了、上映に移る。


カチンコ『素晴らしきボッカッチョ』

 現代イタリア映画界を代表する巨匠タヴィアーニ兄弟の新作。
『デカメロン』に材をとり黒死病が流行した時代を描くがその社会を覆う不安な空気は現在のそれそのもの。

 『デカメロン』の映像化で有名なのはパゾリーニだろうが、監督が違うとこうも違うのかという良い手本のようだ。
パゾリーニは人間の生の喜びを感じさせる印象だったが、タヴィアーニの方は(もちろんユーモラスなシーンもあるが)もっとシリアスな側面を感じる。
流行患者は差別され人間としての尊厳など持たされない。
ペストの恐怖におびえながら暮らす日々から人込みを避けるようにフィレンツェから田舎へ集団疎開する10人の若者。

 退屈しのぎに全員が「すべらない話」を語り合うという展開を見せるのだが、閉鎖的な場所で集団生活をしながら互いの内面を掘り下げることに成功している。

 ファーストカットの画面構成からタヴィアーニらしさが満開。
アングルだけでそれと分からせるのはさすがだと思う。
再現された14世紀の風俗も見ごたえあり、デカメロンの全100話から選りすぐられた5つの恋愛話が語られる。
現実に背を向け郊外に逃げ出し、フィクションの世界に身を置けば問題は解決するのか?
世界を見渡せば、難民問題・移民問題・経済格差・テロ行為など様々な不安要素が未解決のままである。
嘘や迷信がまことしやかに庶民の心を支配してゆく様子などは今も昔もなんら変わりない。

 一番心に残ったのは、最後の晩の表情だろうか。
おそらくそれは未来に差し向けられた本心がにじみ出ていたと思われる。

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