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2017年02月25日22:33

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狂うひと(梯久美子、新潮社)

島尾敏雄という作家を知ったのはつい最近のことである。 おそらく島尾の妻である
島尾ミホに関する評伝「狂うひと」(梯久美子、新潮社)が出版され、 島尾文学が今
見直されつつあるためではないかと想像する。 島尾敏雄は元々加計呂麻島の
特攻隊の隊長である。妻であるミホとは現地で知り合い やがて結婚することにな
るのだが、ミホはやがて発狂し 精神病院に入院する・・・。

「狂うひと」はまさに島尾文学と島尾夫妻に改めて光を当てた梯久美子氏の労作である。

買おうかどうしようか迷った。理由はこれをよむことで自分自身が精神的に
「持っていかれる」ことが怖かったためである。島尾敏夫の私小説「死の棘」は読
み進めることができずにいる。

だが、今の自分に必要なのはこのような劇薬の如き文学に接することでは
ないかとも思うのである。時間をかけてじっくりと読んでみたい一冊である。

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