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2018年03月26日22:27

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私のベストテン(第3回)

(3) 高坂 研
「昨日の隣の将棋、たった10手で詰んだんだって?」
「そうなんだ。でも、全部で4回も不成があったよ。それから、後手は1種類の駒しか
 動かさなかったな」

さて、どんな将棋だったのだろうか?
詰パラ616号(平成19年7月、修正)

76歩、32飛、33角生、同飛、68玉、37飛生、78玉、33飛生、88玉、38飛生迄10手。

 推理将棋を作るきっかけになったのは、斎藤夏雄氏のHPで紹介されていた以下の作品を解いたことだった。

(3-a) John Nunn
(ChessBase Christmas Puzzle, 2006)
「昨日の夜、チェスクラブですごいメイトを見ちゃってさ」
「へえ、どんな形だったの?」
「いや、自分のゲームに集中していたもんであんまり覚えていないんだけどね、はっきりしているのは、お互いのキングも含めて盤上には4枚しかなかったってこと」
「覚えているのはそれだけかい?」
「あとは、白の最後の手が、ナイトがc6からd8に跳んだってことだけだな」

さて、どんな配置だったのだろうか?
(解答は末尾に載せておきます。初見の方は是非挑戦してみて下さい)

 解いた際には「こんな形式でもチェスパズルが作れるんだなあ」と感心していたのだが、斎藤氏は早速この形式を将棋に移植することを試みられた。それを私も真似てみた訳である。それだけなら、よくある話だ。ところが、この作品を斎藤氏のHPに載せて頂いたところから、予想外に話が大きくなっていく。
 すぐに福島竜胆氏をはじめとする詰工房の面々が喰い付き、やがて推理将棋を専門に扱うmixiのコミュニティができる。作家もみるみるうちに増え、遂には詰パラにコーナーを設ける迄になった。今ではもう、詰将棋、フェアリーに次ぐ第3の将棋パズルとしてすっかり市民権を得ていることは、みなさんもご存知のことだろう。私は推理将棋の黎明期にしか関わっていないのだが、新しいジャンルの将棋パズルの誕生から独り立ち迄を見届けることができて、本当に幸せである。
 初期の作品で、私の好きな作をひとつ紹介しよう。

(3-b) 川上和秀
「昨日、不思議な将棋を見たよ」
「どんな将棋?」
「はっきり覚えてないんだけど、たった9手で後手が詰まされたんだ」
「へえ。手順は?」
「忘れちゃった。でも詰みの局面で、7六に駒があったのは覚えているよ」
「先手が突いた7六歩かな?」
「いや、先手の歩ではなかった。後手の駒か、先手の歩以外の駒か。うーん、やっぱり思い出せない」

さて、どんな将棋だったのだろうか?
(詰パラ 平成20年1月号)
(こちらも解答は末尾に)

 ただ正直なところ、現在の推理将棋は当初私が思っていたのとは一寸違った方向に進んでいるように見える。そもそも、私がやりたかったのはプルーフゲームなのだ。しかし、将棋のプルーフゲームはかなり創作が難しく、この頃はまだ、どういう風にすればチェスのプルーフゲームのように表現できるのか皆目見当もつかないという状態だった。そういうときにこのパズルと出会ったものだから、すぐに思ったのは「こういう感じで条件をかければ、将棋でもプルーフゲームができそうだ」ということだった(実際、推理将棋という名称が決まる前、これは「会話型プルーフゲーム」と呼ばれていた)。
 残念ながら、現在の推理将棋は未だ「実戦初形からの条件付きばか詰」にとどまっているようだ。だが本来、推理将棋には「実戦初形から始めること」以外の制約はなにもない。「詰」に拘らず、もう少しロジカルな面を意識して作らないと、更なる発展は望めないのではないか。推理将棋コーナーの初代担当として、推理将棋をレトロの問題として昇華させることができなかったことだけは、今も悔いが残っている。

 では、ロジカルに解くことができる将棋パズルとは、例えばどういうものなのか。その好例が衝立推理だ。これは推理将棋の先行作でもあるので、ひとつ見て頂きたい。

(3-c) 花沢正純
26歩、25歩、24歩、23歩成・歩(87)、24飛、28歩/84飛、87飛、85飛/76歩、
48玉、38玉、28銀・歩、27銀、18香、39金、33と+(33)、59金、11角成・香、
77飛(+)、48金左、(99)、88銀(89)、34香、28玉/25歩、33馬、36歩・歩、
87飛、15馬、37馬、28馬・歩(++)迄56手で後手の勝ち。
衝立推理 (カピタン33号 02/1986)

 ここで使用されている記譜の表記の意味は、以下の通りである。
24飛/25飛:24飛と指そうとしたら反則だったので、指し直して25飛とした。
23歩成・歩:23歩成としたら、歩が取れた。
+:王手を表す。後手が先手の玉に王手をかけたときは(+)。
++:詰みを表す。後手が先手の玉を詰ましたときは(++)。
(87):87にいた先手の駒が取られた。

 この作品の詳細な解説については、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1940816600&owner_id=10857363
をご覧頂きたい。きっと、私の言う「ロジカル」という言葉の意味がお分かりになる筈だ。

「手を進めていくと、作者が設定した謎にぶつかる。そして、それを解決することで作意順が見えてくる」という構成を持った推理将棋は、まだ数えるほどしかない。だが、少しずつそういう方向に軌道修正していかないと、推理将棋の未来は決して明るくないように思えてならない。

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(3-a) solution
フォト

(3-b)の解答
46歩、34歩、45歩、44角、同歩、42玉、76角、51金右、43歩成迄9手。

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