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2017年09月02日22:13

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Retros on weekends(25)

(24)Andrey Frolkin(Die Schwalbe 1979, 1st Prize)
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白Sの成駒は何枚あるか?(13+9)

 最低でも5枚の成Sがあることを考慮すると、白のなくなった駒はBPPの3枚で、黒はQRRBBSSの7枚。又、黒側の駒取りはPによるもので尽きている。
 g-h筋の白Pが直進途中で黒Pに取られることはないので、これらのPはいずれも成っている。これらの侵入経路はf6-e7しかなく、これより黒はこれらの成を戻す迄Pe7-e6とはできないことが分かる。また、これらの白Pが成るのには最低5枚の駒取りが必要であり、するとf筋の白Pがc5で取られることはあり得ないので、これもまた成っている。これで白側の駒取りは6枚。同様の推論により、e筋の白Pもやはり成っていることが分かる。これで白の駒取りは7枚となり、白側も駒取りはこれで尽きている。(特に、白Pはd8で2枚、e8で3枚成っていることになる)
 すると、a,c,d筋の白Pは直進するよりなく、特にa,d筋の白Pは途中で取られることはないので、成っていることが分かった。そうすると、これらのうち少なくとも一方を初形位置まで戻さない限り、黒Pb2の駒取りを戻すこともできない。

 ここまで分析しておいて、出題図からの逆算手順を考えてみよう。すぐ分かるように、それは Retract:1.Qa6-a7+ Kc7-8 2.Pa7-a8=S+ Kd6-c7 3.Pc7-c8=S+...というものである。この逆算により、以下のような図が得られる。

(図1)
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 この図において左側の凝り形をほぐすには黒がPd7xc6と戻すしかないが、すぐにそうする訳にはいかない。というのは、白Pは黒Bc8も取っているからだ。この黒Bをc8に戻すには先にPe7-e6とする必要があるが、その前にe7経由でSに成った3枚の白Pをunpromotionしなくてはならない。では、これらの成を戻してからPd7xc6とすればよいかというと、まだダメである。前述の通り、d8で成った白Pも2枚あるので、これらの成も戻してからでないとPd7xc6とはできないのだ。

 結局、白が成を5枚戻してからでないと局面をほぐせないことになるのだが、この逆算過程で盤上のSは全部消えてしまう!以上より、初形で盤上にいた白Sは全部成駒だったということになる。

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(25)Michel Caillaud(Phenix 9 03/1990, 4th Prize)
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