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2016年11月01日22:35

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局面構成問題をはじめから(1)

 局面構成問題(Construction Task)とは、「与えられた条件を満たす局面を構成せよ」という種類の問題です。「将棋パズル雑談」において昨年から取り上げてきた覆面推理も、この局面構成問題の一種といえるでしょう。覆面推理がそうであったように、局面構成問題もまた、必ずしも相手玉を詰めることが目的とは限らないということをはじめに断っておきます(分かり易いのでよく条件として用いられますが、作者の主要な関心はもはやそこにはないのです)。

 局面構成問題は、その形式から
(A) 初期状態において、盤面に全く配置駒がないもの
(B) 初期状態において、盤面に数枚配置駒があるもの
(C) 初期状態において、盤面に駒を意味する文字が配置されているもの

の3種類に大別することができます。このうち(A)は白紙問題、(B)は追加配置問題とも呼ばれています(そして(C)は勿論、覆面推理ですね)。それぞれについて作例を挙げておきましょう。

・白紙問題の例

(例題1)
盤上の右半分に、と金2枚と後手玉を配置し、とどめの手が非限定にならない1手詰の局面を作れ。(作者不詳)

解 17と、28と/19玉

・追加配置問題の例

(例題2)
フォト

生駒を2枚追加配置して、後手玉を1手詰にできる局面を作れ。
但し、先手の持駒はなしとする。

解 先手16角、27飛を追加

 覆面推理と同様、これから扱う局面構成問題についても「局面の合法性」が決定的な意味を持ちます。(ちなみに、ある局面が合法であるとは、その局面が実戦初形から双方ともルールを守って指した場合に到達可能な局面であることをいいます)。従って、今後扱う局面はどれも双玉であることを前提とします。それから、最終手が駒取りだった場合、詰将棋では不完全扱いとなりますが、局面構成問題ではそれでも構わないことにします。あくまでも「1手で詰む局面を構成すること」が目的なのです。また、透かし詰を認めるかどうかについては、その都度決めることにします。

 詰将棋との相違点をあと2つ挙げておきましょう。まず、詰将棋では無条件に「与えられた局面は先手番である」としていますが、局面構成問題ではそれも仮定しません。手番がどちらなのかは、配置や持駒などから論理的に確定させるのです。
 また、先手に王手義務はありません。実戦と同じく、着手は(合法である限り)自由です。

では、今日の課題として簡単な白紙問題をひとつ出題しておきましょう。

(第1問)
24の地点を含む4ヶ所に駒を配置して、手番が確定し、かつ次の合法な着手が全て1手詰を与える局面を作れ。
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