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2016年10月24日23:26

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楽しいレトロプロブレム(59)

(92)A.Klibanski, N.Plaksin(feenschach 1977, 2nd Prize)
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Grid Chess (13+10)
a)駒取りの場所を特定せよ
b)黒Kの初手は?

 なくなった駒は白がRBPの3枚で、黒はRRBSSPの6枚。これら9枚の駒取りの位置が全て判明するというから驚きである。では早速局面を解析していこう。

 まず、すぐに分かるのは、白Bがf1で取られていること、そして最終手がQb1xd1+ということだ。h筋の白Pが成っている可能性もあるので駒種まではまだ分からないが、QRSのいずれかであることだけは分かる。
 次に注目すべきなのは白Ra2だ。Grid Chessのルール上、これはRa1-a2と動いたものではあり得ない。a-b筋で白Pがcross captureし、一旦Ra1が上に出てからa2に戻るという筋も考えられるが、Pa2xb3より先にSa1が指されていることを考慮すると、これも実際には実現できない。白Pa2,b2の状態でSb3-a1と指しているのだから、白Ra1は不動のまま取られているのだ。
 では、このRはh1にいたものだったのだろうか?白Kの位置から白はcastlingしているが、するとその瞬間Rはf1に来る。ここからa2に行くことは不可能なのでRa2はh1から来たものでもない。結局、このRは成駒であることと、a-b筋で白Pがcross captureしていることが判明した。他に成駒はないので、d1で黒Qに取られた白駒は初形でh1にいたRであることも分かった。
 成ったのは勿論h筋の白Pで、このPがh2-h4xg5xf6xe7xd8=Rと進んでいることになるが、ここで白Pは黒駒を4枚取り、a3とb3でも2枚取っているので、これで白側の駒取りは尽きている。白Pがe7で取ったのは黒Pであることが明らかであり、g5とf6で取ったのは黒Sに確定する。更にd8で取った駒はRであり、黒Kが不動のままだとRに成った瞬間にチェックがかかるので、それ以前に黒側がcastlingしていることも分かった(つまり、黒KはRundlaufしている訳である)。白Pe7の状態では黒Bf8は動けないので、白Pがd8で取ったのは初形でa8にいた黒Rである。
 残った黒駒はRh8とBf8だが、これらがそれぞれa3/b3で取られたことも明らかだろう。以上で駒取りは全て判明した。

a)黒Rh1→a3、黒Bc8→b3、黒Sb8,g8→g5,f6、黒Pe7→e7、黒Ra8→d8、
白Bf1→f1、白Rh1→d1、白Ra1→a1
b)黒Kの初手は0-0-0

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(94)Michel Caillaud(Problem Paradise 1999)
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SHC#26(4+15)

Series Help(SH#n):黒が(n-1)手連続して着手し、それからH#1として詰める。黒の連続着手の途中で、不可能局面を生じてはならない(即ち、直前の白の手が存在しない不可能局面を生じてはならない)。

Series Help Consequent(SHC#n):SH#nに「連続着手中のそれぞれの局面を全て独立したものと見做す」という一文を加えたもの。
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