mixiユーザー(id:10857363)

2016年09月29日22:48

644 view

楽しいレトロプロブレム(52)

(85)Gianni Donati(The Problemist Supplement 2001-2002, 1st Prize)
フォト
Proof Game in 20.0 moves(15+13)

 まずは手数計算から。白は盤面配置を作るのに18手、又Bf1をc6に捨てるのに2手かかるので、これで白の手は尽きている。一方黒の無くなった駒はQRPの3枚で、このうち2枚がc/g筋でPによって取られている。白の2枚のRは、h筋の方がh6-f6と移動した後(この時にh筋の黒Pも取っている筈)、a筋の方がb1-b4-g4-g6と移動しているので、g筋の駒取りの位置はg3に確定する。

 以上の条件を踏まえて、序を考えてみよう。白は初手よりe3-Bb5-Bc6-Ke2-Kd3が絶対。ここで黒Qの利きを考慮すると、d筋にはscreeningする駒が必要なことが分かる。それが黒のSであることもほぼ明らかだ。b筋のSならc6-d4となり、g筋のSならf6-d5となるが、どちらが正しいかは試行錯誤してみればすぐに分かるだろう。S特有の不規則な軌跡を一意に限定しつつ、12手ものlong Rundlaufを達成した手腕は流石である。

1.e3 Sf6 2.Bb5 Sd5 3.Bc6 dxc6 4.Ke2 Qd6 5.Kd3 Qg3 6.hxg3 h6 7.Rxh6 f5 8.Rf6 Rh4 9.Se2 Rc4 10.Qh1 Rc3+ 11.bxc3 Sb6 12.Ba3 Sc4 13.Bd6 Sa5 14.Sa3 Sb3 15.Rb1 Sd4 16.Rb4 Se6 17.Rg4 Sd8 18.R4g6 Sf7 19.g4 Sh8 20.Sg3 Sg8

 ちなみに、2nd Prizeだったのは以下のCaillaudの作。奇しくもテーマも「12手かけてのSのRundlauf」と全く同じ。意味付けや構成の違いを比較してみて下さい。

(85-a)Michel Caillaud(The Problemist Supplement 2001-2002, 2nd Prize)
フォト
Proof Game in 18.5 moves(16+16)

1.e4 Sc6 2.Qh5 Se5 3.Ke2 Sg6 4.Kf3 f6 5.Kg4 Kf7 6.Sf3 Ke6 7.Bc4+ Kd6 8.Re1 Sh4 9.Re3 Sf5 10.Rd3+ Kc5 11.Rd6 Kb4 12.d4 Sg3 13.Bf4 Se2 14.Sd2 Sc3 15.Re1 Sa4 16.Re3 Sc5 17.Ra3 Sa6 18.Bb3 Sb8 19.Ra4#

-------------------------------------------

(87)Michel Caillaud(The Problemist 01/1994)
フォト
Proof Game in 29.0 moves(12+14)


0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する