mixiユーザー(id:10857363)

2016年09月19日22:55

617 view

楽しいレトロプロブレム(49)

(82)Hugo August, Anton Trilling(Die Schwalbe 1940)
フォト
最終15手を求めよ(11+14)

 なくなった駒は、白がQBSPPの5枚で、黒はQBの2枚。また、白のR2枚とB1枚、そして黒のR2枚は明らかに成駒である。黒Pは盤上に6枚配置されているので、黒側にはこれ以上の成駒はない。
 b筋の黒Pとe筋の白Pで各1枚の駒取りがあったこと以外は、駒取りの痕跡はない。ということは、P以外の駒取りとして、白はあと1枚、黒はあと4枚のuncaptureが可能である。これを念頭に置いて、逆算を考えてみよう。

 最終手が1.Pe7-e6+だったことは自明。これを戻すと白Rg6で黒Kにチェックがかかるので、このRがg6で駒取りをしたことが分かる。Bだとこれ以上の成駒がないことに矛盾。よって取られたのはQである。

(図1)
フォト

 1...Rh6xQg6+ 2.Qh5-g6+と戻すと、またしてもチェック。しかし今度は2...Se5と戻すことができる。さて、今度は白Kにチェックがかかってしまった。

(図2)
フォト

 ここからの数手が最大の難所。幸い、黒は4枚のuncaptureが可能である。これを巧く利用して、白側の駒取りなしで5段目の2枚のRの攻撃を躱さなくてはならない。
 すぐに思いつくのは黒Rc5,Kd5という形だが、このままでは白Ba2とPe5による不可能両王手になってしまう。これを避けつつKd5の形を作るには、どうしたらよいのだろうか?
 その答えは、3.Rc5xQd5+ Qb3-d5+ 4.Rc4xBc5+ Bf2-c5+ 5.Kd5-d6+!という手順だ。これならRc4が遮蔽駒となり、Kd5でもillegalとはならない。

(図3)
フォト

 当然この後は5...Pe3-e4+と戻すが、今度は黒Bb1によって白Kにチェックがかかってしまう。従って、黒は6.Rc2-c4+と戻すしかない。

(図4)
フォト

 しかしもう、このあたりになると自然に逆算が見えてくるだろう。このあとは6...Rc4-f4+ 7.Rh3-f3+ Rg2-g5+ 8.Qh4-h5+ということになる。

(図5)
フォト

 作者の狙いは、勿論15連続チェックだ!自明成駒を5枚も使っただけある、見応えのある攻防であった。

--------------------------------------------------

(84)Rauf Aliovsadzade, Michel Caillaud, Evgeny Fomichev
(StrateGems 2007)
フォト
ステイルメイトになるように駒を色分けせよ(21+0)
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する