mixiユーザー(id:10857363)

2016年09月08日22:47

597 view

楽しいレトロプロブレム(46)

(79)Michel Caillaud(StrateGems 2010, 3rd Prize)
フォト
Proof Game in 21.5 moves(14+14)

 黒は盤面16手で、なくなった駒はQとB。升目の色を考慮すると、c3で取られたのがQで、Bはg4で取られたことが分かる。これにそれぞれ2手と3手かかるので、黒はこれで21手ちょうどだ。対照的に、白の方は手に十分な余裕がある。Rh1がh8に辿り着くのに5手かかるが、それを含めても盤面配置にはたったの9手しかかかっていない。
 しかしここで白のなくなった駒を考えてみると、作者の設定したテーマが見えてくる。白の取られた駒はBとSだが、このBc1は一体どこで取られたのだろうか?黒には一手の猶予もないので、Bが左下隅で取られることはありえない。すなわち、このBは取ってくれる駒を求めて、Pa5とPc5の配置が完成する前にここを飛び出さないといけないのだ。あとは理屈を考えるよりも、実際に駒を動かして試行錯誤してみる方が早い。Rg1はいかにもSを取ったように見えるが、実は10手もかけてg1まで辿り着いたBを取っていたのであった。

1.Sh3 c5 2.Sf4 Qa5 3.h3 Qc3 4.bxc3 e5 5.Ba3 Se7 6.Bb4 Sec6 7.Ba5 Sd8 8.Bc7 a5 9.Bd6 Ra6 10.Be7 Rh6 11.Bh4 b6 12.Bg3 Bb7 13.Bh2 Bf3 14.Bg1 Bg4 15.xg4 f6 16.Rh5 Kf7 17.Rg5 Rh1 18.Rg6 h5 19.g5 h4 20.Sh5 Rxh5 21.Rh6 Rxg1 22.Rh8

 白のBとSがいずれも原型位置から移動した後にP以外の駒に取られていることも含め、テーマ設定から表現に至るまでCaillaudの熟練した技巧が堪能できる一作。

--------------------------------------------------

(81)Thierry le Gleuher(Probleemblad 01-02/1998v, 2nd Prize)
フォト
Proof Game in 18.0 moves(12+13)
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する