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2016年09月02日23:02

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楽しいレトロプロブレム(44)

(77)Gianni Donati, Mark Kirtley(Problem Paradise 07-09/1999)
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Proof Game in 16.5 moves(15+12)

 なくなった駒は白がP1枚で、黒はRSPPの4枚。白の盤面配置を作るのには17手ちょうどかかるので、白Pe2は初形位置で取られていることが分かる。白側の駒取りはb,c筋で1度ずつあるが、恐らくはPe2を取った黒Sがc3で取られているのだろう。となると、b3で取られたのは黒Rだ。では、そのように手を進めてみよう。

1.f3 Sc6 2.Kf2 Sd4 3.Kg3 Sxe2+ 4.Kg4 Sc3 5.dxc3 a5 6.Qd4 Ra6 7.Bd3 Rb6 8.Se2 Rb3 9.axb3

(8.5手目の局面)
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 ここが問題の局面。黒はもう後は何も指さなくてもよいのだが、かと言ってパスを続ける訳にもいかない。しかし、下手に指すと最終局面に到達できなくなってしまう。では、黒はどうやって時間潰しをしたらよいのだろうか?よく見ると、確かに一つだけ巧妙な手段が残されているのだが…。

9...e6 10.Rxa5 e5 11.Qa4 e4 12.c4 e3 13.Sec3 e2 14.Rf1 e1=R 15.Rf2 Re6 16.Re5 Re7 17.Rxe7+

 作者が用意した答は「Pe7をRに成り、e7へ戻す」だ。成Rも最終手で取られてしまい、黒の後半の8手は全くの無駄手なのだが、偶奇性を調整する為のtempo moveとも異なる、非常に珍しい意味付けの手順ではないだろうか。(私はこれを勝手に"purely excess moves"と呼んでいる)

 同様の無駄手を含む作品を、もう一作紹介しよう。是非こちらも解図してみて下さい。

(77-a)Michel Caillaud(StrateGems 07-09/1998)
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Proof Game in 15.5 moves(14+14)

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(79)Michel Caillaud(StrateGems 2010, 3rd Prize)
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Proof Game in 21.5 moves(14+14)

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