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2016年03月17日22:30

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「カピタン」研究(17)

自殺詰

 先手の玉を詰めるという目的に対して、先手は最善、後手は最悪を尽くします。(実はこれも詰将棋と同様、厳密には最善ではありません)
 今迄に発表された自殺詰は十数局に過ぎませんが、六千手をこえる超長編、煙詰など高度な作品も多く、自殺詰独特の手筋もあり、まだまだおもしろい作品の登場が期待されます。
 3図。自殺詰の第一人者、花沢正純氏の小品です。


(3図)花沢正純
フォト
自殺詰 20手(詰パラ 昭和48年10月号)

 初手は27金、28金では後に27玉と逃げられます。18銀と打って後手の玉を詰めてしまったり、29桂、同香成、同玉のように王手が続かない順は先手の負、不詰です。
 さて27金に対して後手は同香生!(同香成、同玉はいずれも18銀で先手玉が簡単に詰んでしまう)そして、29桂、同角生、18歩、同角生。これで切れたように見えますが、更に29桂、18歩を繰り返して桂歩を全て消費してしまうのが自殺詰特有の妙手です。その効果は最後の29桂を同角生とさせて、28銀、同香生、18銀、同角と進んだとき「詰」となってあらわれます。このとき持駒が残っていると、29桂、27玉で全然自殺できません。即ち持駒自身が邪魔駒だったわけです。
 27金、同香生、29桂、同角生、18歩、同角生、29桂、同角生、18歩、同角生、29桂、同角生、18歩、同角生、29桂、同角生、28銀、同香生、18銀、同角迄20手。

ばか自殺詰

 先手の玉を詰めるばか詰ですが、後手の玉に王手をかけるので少し妙な気がします。(なれるとたいしたことない?)
 これも発表数は少ないですが、短編に佳作が多く、今後開発されそうな分野です。ばか詰と同様、詰上りを想定すると解き易いようです。

(4図)
フォト
ばか自殺詰 6手

 4図。99角、77飛合、57飛、64玉、97角、同桂成迄6手。
 ばか自殺詰の初形はたいてい先手の玉は詰みにくいようになっています。それをどうやって短手数で詰み形に持っていくか。そこにばか自殺詰の醍醐味があるのではないでしょうか。
 本局は角の限定打2回に飛合を入れてスッキリまとめています。

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