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2016年07月26日18:24

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措置入院と退院について医師として考えます。

刺され19人死亡、26歳男逮捕
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4111240

いくつかの日記で「措置解除した医師の免許を剥奪しろ」とあります。
まず、この誤解。医師は『措置症状消退届』という書類を県に提出する
だけで、措置入院の解除の決定権は都道府県知事にあります。

そもそも措置入院になるような人は「悪さしそう(した)んだけど、裁判での
尋問が支離滅裂になりそうで面倒くさいと警察官(検察官も)が判断したときに
地元保健所経由で、都道府県知事命令として措置診察というのが行われます。
大事件でよく言われる『精神鑑定留置』とは全く別物で、格子ごしに10分程度
患者(?)と話して「精神障害のために、自傷他害の恐れがある」と2名の精神科
医師が判断したら、措置入院が都道府県知事より命令されます。

建前はそうですが、実際には何か警察のお世話になるような事件を起こしている
ことが多く、立件しても警察にも検察にも手柄にならず、書類書くのが面倒くさいだけ
の人が、措置診察に回されるだけ。

で、都道府県知事命令で受け入れさせられた医師は、措置入院患者の対応に
振り回されます。こういう人の中には、弁護士会などの『人権』団体に電話かけまくる
人がおり、担当医はそれに対する回答書類に忙殺されます。他の(大人しい)患者と
トラブル起こすのもザラで、患者本人も「悪さしても刑務所にいかなくていい」ことを
たてに、女性看護師に抱きついたり、大切な場所を触ったりやりたい放題。

こうなると、当然ながら看護側から医師に「何とかしてくれ」と圧力がかかります。
そこで、医師は(ヒヤヒヤしながら)『措置症状消退届』というものを書き、都道府県
に提出します。そして都道府県知事から認められたら措置解除、その後は入院を
続ける人もいれば、即退院する人もいるのです。

入院時の判断は、2名の精神科医ですが、退院時の判断は1名です。だから、
措置入院の退院判断をした後、患者が退院し、事件を起こしたら犯人側弁護士
から「患者様は悪くない。退院判断をした医師が悪い」という姿勢で裁判となります。

この事件で措置症状消退届を提出した医師の責任が問われたら、誰も措置解除せず、
死ぬまで一生病院で飼い殺しになりかねません。

そんなでも、この医師を責める人、いたら教えて下さい。



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