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2018年08月07日21:35

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岩波少年文庫の150冊

一昨年から始めた「岩波少年文庫をひたすら読んでみる」は、まだまだ継続中。100冊到達が昨年末なので、あれから7ヶ月間ちょっと。今日で冊数が150となりました。101〜150冊目の中で、コメントしておきたい作品を挙げておきます。

■説明不要な有名作
今回の50冊には、誰でも題名を聞いたことある有名作がけっこう入ってますので、まずはそれらについて取り上げてみます。

・青い鳥 (モーリス・メーテルリンク)
なんと、これほどの名作が、本国オランダでは既に忘れられた存在らしいですよ。

・西遊記<上> (呉承恩)
・西遊記<中> (呉承恩)
・西遊記<下> (呉承恩)
全編痛快だけど、端役はなんの罪がなくても、理不尽なほど簡単に死んじゃうのはどうなのか。この時代だから、歴史的名作だから許される倫理観。でもやっぱり傑作。

・あしながおじさん (ジーン・ウェブスター)
序章を除けば、すべて主人公ジュディからの一方的な手紙の内容で成り立っているという、ユニークな構成。それでいて文句ナシの名作です。

・アンデルセン童話集<1>
・アンデルセン童話集<2>
・アンデルセン童話集<3>
原作は、キリスト教色が思ったより強くて意外でした。それと、人魚は寿命が300年と長い代わりに魂がなく、死ぬともともと泡になる運命という設定には驚愕。

・イソップのお話 (河野与一 編)
どう考えても大人向き。「この話は、〜な人にしてやるといいのです。」各話の最後に添えられた辛辣な一撃が、じつに小気味いい。

・トム・ソーヤーの冒険<上> (マーク・トゥエイン)
・トム・ソーヤーの冒険<下> (マーク・トゥエイン)
それにしても西部開拓時代って、チートだ。もう二度とあのように特異な雰囲気をもつ舞台が、地上に現れることはないんじゃないでしょうか。ただ、続編ともいえる「ハックルベリー・フィンの冒険」は、シナリオが緩みきってしまってるのが惜しい。

■印象深い作品
知れ渡ってるほど有名じゃない作品の中にも、傑出したものはあります。

・長い長いお医者さんの話 (カレル・チャペック)
チェコの才人チャペックによる、西欧とは違った風合いをもった素敵な短編集。兄ヨセフの挿し絵も、いい味出してます。

・川をくだる小人たち (メアリー・ノートン)
・空とぶ小人たち (メアリー・ノートン)
・小人たちの新しい家 (メアリー・ノートン)
アリエッティ・シリーズの3〜5巻目。特に「空とぶ〜」は、屈指の冒険譚ですよ。

・人形の家 (ルーマー・ゴッデン)
人形が、ただ可愛いさを振りまくだけの話かと思ったら...。なんか著者は、裏で綿密な構成を考えながら筆を運んでるんじゃないかという気がしてたんだよね。後書きは、読み終わるまで開いちゃダメです。

ところで、「人形の家」って子供向けだったっけ? と思ったら、イプセン作の戯曲とはたまたま邦題が同じなだけで、まったく別の作品でした。

・小さい牛追い (マリー・ハムズン)
・牛追いの冬 (マリー・ハムズン)
原題は「ノルウェーの農場」という一つの作品で、それを二分冊にして別々の邦題を付けてます。農場モノは、時代の揉まれても、かえって磨かれて輝きが増す好例ですね。

・きゅうりの王さまやっつけろ (クリスティーネ・ネストリンガー)
ある日、きゅうりの王様が家に居座り始める...私はハチャメチャ系が苦手なんだけど、この物語は気に入りました。可笑しさ一辺倒な物語と見せかけて、じつは社会的テーマを扱っているのです。

・おとなりさんは魔女 (ジョーン・エイキン)
・ねむれなければ木にのぼれ (ジョーン・エイキン)
・ゾウになった赤ちゃん (ジョーン・エイキン)
これもハチャメチャ系だけど、大人向けの毒がチョコチップのように散りばめられてて、そこが魅力です (笑)。作家の遺言によりまとめ上げられた「アーミテージ一家」モノの短編全集を、少年文庫では三分冊にしてます。

・まぬけなワルシャワ旅行 (I.B. シンガー)
・お話を運んだ馬 (I.B. シンガー)
短編集なんですが、住民みんなが「落語の与太郎さん」の街ヘルムの滑稽噺があるかと思えば、ジワッとくる感動の話もあります。ヘルムの噺は、そのまま落語にできそう。

■101〜150冊目のリスト
・くろて団は名探偵 (ハンス・ユルゲン・プレス)
・川をくだる小人たち (メアリー・ノートン)
・氷の花たば (アリソン・アトリー)
・空とぶ小人たち (メアリー・ノートン)
・ゆかいなホーマーくん (ロバート・マックロスキー)
・小人たちの新しい家 (メアリー・ノートン)
・木はえらい (谷川俊太郎、川崎洋 編訳)
・りこうすぎた王子 (アンドリュー・ラング)
・ゾウの鼻が長いわけ (ラドヤード・キプリング)
・長い長いお医者さんの話 (カレル・チャペック)
・イソップのお話 (河野与一 編)
・哲夫の春休み<上> (斎藤惇夫)
・哲夫の春休み<下> (斎藤惇夫)
・ミオよ わたしのミオ (アストリッド・リンドグレーン)
・人形の家 (ルーマー・ゴッデン)
・公園のメアリー・ポピンズ (P.L. トラヴァース)
・小さい牛追い (マリー・ハムズン)
・牛追いの冬 (マリー・ハムズン)
・ピッピ 南の島へ (アストリッド・リンドグレーン)
・かもとりごんべえ ゆかいな昔話50選 (稲田和子 編)
・青い鳥 (モーリス・メーテルリンク)
・西遊記<上> (呉承恩)
・西遊記<中> (呉承恩)
・西遊記<下> (呉承恩)
・波紋 (ルイーゼ・リンザー)
・あしながおじさん (ジーン・ウェブスター)
・まぼろしの白馬 (エリザベス・グージ)
・きゅうりの王さまやっつけろ (クリスティーネ・ネストリンガー)
・アンデルセン童話集<1>
・アンデルセン童話集<2>
・きつねのライネケ (ヨハン・ヴォルフガング・フォン ゲーテ)
・トム・ソーヤーの冒険<上> (マーク・トゥエイン)
・トム・ソーヤーの冒険<下> (マーク・トゥエイン)
・アンデルセン童話集<3>
・ネギをうえた人 朝鮮民話選 (金素雲 編)
・リンゴ畑のマーティン・ピピン<上> (エリナー・ファージョン)
・リンゴ畑のマーティン・ピピン<下> (エリナー・ファージョン)
・おとなりさんは魔女 (ジョーン・エイキン)
・ねむれなければ木にのぼれ (ジョーン・エイキン)
・ゾウになった赤ちゃん (ジョーン・エイキン)
・ハックルベリー・フィンの冒険<上> (マーク・トゥエイン)
・ハックルベリー・フィンの冒険<下> (マーク・トゥエイン)
・山賊の娘ローニャ (アストリッド・リンドグレーン)
・さすらいの孤児ラスムス (アストリッド・リンドグレーン)
・シュトッフェルの飛行船 (エーリカ・マン)
・まぬけなワルシャワ旅行 (I.B. シンガー)
・お話を運んだ馬 (I.B. シンガー)
・おとうさんとぼく (e.o. プラウエン)
・ぼくたちの船タンバリ (ベンノー・プルードラ)
・空とぶベッドと魔法のほうき (メアリー・ノートン)
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