【質問】 第二次大戦が始まる前の,ハンガリー・ユダヤ人の状況は?
http://mltr.ganriki.net/faq08h09h.html#19649
に以下を追記予定.
▼ ユダヤ系ハンガリー人であるジョージ・ソロスの伝記では,その当時の雰囲気を以下のように述べている.
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ジョージがベルジェニ・ギムナジウム(高校)に入学した1941年には,ユダヤ人生徒と非ユダヤ人生徒は別のクラスに分けられた.
ボーヤイ・ギムナジウムに通っていた[ジョージの兄の]ポールは,新たに設けられたユダヤ人学校に転校させられた.
さらに別の差別的法律も成立し,[ジョージの父親の]ティヴァダールはこの法の規定に合わせるために,自分の法律事務所にアーリア人の共同経営者を入れなければならなくなった.
だが,こうした変化は徐々に起こったもので,相変わらず続く[ジョージの母親の]エルジェーベトの胃痛を除けば,目に見える不安は感じないまま,変化に順応していった.
実際,ティヴァダールが回想録で述べているように,1944年にドイツ軍がブダペシュトに現れるまでは,1938年に初めて感じた恐怖感や懸念は,次第に薄らいでいった.
[ジョージ・ソロス曰く,]
「大量虐殺,強制労働,ワルシャワのユダヤ人強制居住区域といった言葉を頻繁に耳にするようになっていたが,私たちはそうしたことはあまり信じないようにしていた.
こうした厄災とは直接的には接していなかったから,どこかで自分達とは無縁のものだと感じていたんだね」
------------マイケル・T・カウフマン『ソロス』(ダイヤモンド社,2004),p.42
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