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2018年04月23日09:44

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ただただ、見守る。

大たい骨骨折で長い間入院していた兄が何とか退院できた。
その間私はできる限り見舞に行こうと心掛けた。なぜなら、なぜかもう兄は長くは生きられないような気がした。

兄が退院して三日目。義姉から電話。
「いい知らせじゃないんだけど・・今度は誤嚥性肺炎で・・・」と声を詰まらせる。また病院に逆戻りだ。
昨日の義姉からの話では
「貴女がショックを受けるだろうから言わなかったのだけど、実は医師から、いつ何が起こっても不思議はない程、身体が老衰している。と言われたの。」と。

もう残り長くはないのだろう。でももう一度家に帰してあげたい。
そんな思いの中で、兄のこれまでの人生を振り返った。兄の幸運な人生を。

高校時代に父の友人にもらったヴァイオリンがきっかけで、突然音大に行くと言い出した兄。音大に入ってからは、世界的なヴァイオリニストに師事することができ、卒業後も世界的な指揮者に目をかけてもらい、充実した音楽生活を送り続け、賢い妻に支えられて、教授、名誉教授と登ることができた。
胃がんに見舞われたこと.腸閉そくを起こしたこと。何度も骨折したこと。それらの不運を除けば、兄にとってこれ以上の生き方はなかったと思う。


兄は今、少し会話をしてはうとうとと眠る。
「兄さん、苦しくはないの?辛くはないの?」と問うと、薄く目を開けて「楽だよ」という。
私は今、ただ見守るしかない。何をしてあげることもできない。
なんの苦痛もありませんように…とただ、ただ、見守るしかない。

皆さま、コメントご無用です。




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