mixiユーザー(id:3326532)

2018年04月17日11:03

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お引っ越し(自分じゃないよ)

昨日、お隣が引越ししていった。

静かな静かな引っ越し。
何か荷物を持っていったのだろうか?
お隣の一軒家には、おそらくそれなりの家財があったはずだけど、
それらは徐々に処分していって、
最後に、ほとんど身一つで出ていったのだろうか?

一昨日の夜のこと。
ピンポーン♪は〜〜い。
夜にやってくるのは、だいたいご近所かNHKかという感じなので、
電気も付いているし、居留守というわけにもいかずいそいそと玄関へ。
はいどちらさまでしょう?
ガラガラ〜〜
あらお隣さん。
はいなんでございましょう?町内会費かな?

「実は私、明日引っ越すんです」
え?それはまた急に……いや本人にとっては急ではないのだろう。
はい……えっと……どこまで聞いていいのやら。
「うちも老朽化してるし、いろいろねえ」
はあ、では立て直すとかそういうことですか?
「いえ、もう歳なもので、身体も効かなくて、80ですし」

いろいろと言葉を飲み込む。
何処かに住んでいる家族がいるのだろうか?
ときどき、娘さんのような年頃の中年女性を見ることがあったのだが、
彼女は親族ではなく、ヘルパーなのかもしれない。
だとしたら、売り払って老人ホームのようなところへ行くのか。
経済的にはどうなんだろうと考えるが、そんなことはもちろん聞くわけにはいかない。

「これつまらないものですが、今までお世話になりました」
いえいえ、何もしておりませんし。申し訳ないです。
「そんなこと、もうこの歳ですので隣にいてくださるだけで心強いんですよ」
はあ。
では、ありがとうございます。
お元気でいてください。
こちらこそお世話になりました。

深々と頭を下げて、小さな包をいただく。


中には、おせんべの小袋が。
ぽりぽりぽりぽり、その晩、仕事をしながら食べ続けた。





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