mixiユーザー(id:78391)

2018年04月15日00:39

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 【質問】 吉田茂暗殺計画について教えてください.(下書き)

 【質問 kérdés】
 吉田茂暗殺計画について教えてください.
Kérem, mondja meg a Joszida Szigeru gyilkosságos tervéről.

 【回答 válasz】
 旧軍の作戦課長だった服部卓四郎らが企てたとされるもので,1952.10.31付のCIA内部文書に記述されていたが,2007年の秘密指定解除によって2007.2.27,日本の各紙が一斉に報じた.
 これによれば,陰謀を企てていたのは服部ら再軍備派の6人.
 彼らは大戦後,連合国軍総司令部(GHQ)の歴史課に勤務し,GHQ参謀2部(G2)の承認の下,内外の秘密工作に関与しつつ,旧軍復活の機会を窺っていた.
 だが,吉田茂首相は,旧軍ベースの再軍備に否定的だった.
 そのため服部らは吉田首相に不満を持ち,吉田を暗殺し,代わりに鳩山一郎元自由党総裁を首相に就任させるクーデター計画を立案したという.
 しかし辻政信から,
「敵は保守の吉田ではなく,社会党だ」
「クーデターを起こす時ではない」
等,保守政党の自由党が政権にあるうちはクーデター計画を断念するよう説得され,思いとどまった.
 代わりに,吉田政権に打撃を与えるために他の政府高官を暗殺することも一時検討したが実行されていない.

 ただ,元共同通信の古沢襄は,
・辻は権謀に憑かれたスタンドプレー男であって,にわかには信用できない
・占領下ではG2とCIAは犬猿の仲であり,また,CIA報告がすべて正しいというものではない
として,話の信憑性に疑問を呈している.

 もっとも,CASAのフランク・コワルスキーによれば,服部が警察予備隊を敵視していたことは確からしく,警察予備隊についてのネガティヴ情報を盛んに吹聴し,予備隊潰しを画策したという.

 仮にクーデター計画が実行されたとしても,ルトワック『クーデター入門』にいわく,
「クーデターの本質は,国家内の主要な意思決定中枢部の権力を握り,これを通じて国家全体を掌握することである」(p.59)
ので,吉田茂を暗殺しただけでは中枢部の権力を握ったことにはならず,本当の権力中枢部であるマッカーサー司令部によって簡単に鎮圧されたに違いないが…

 【参考ページ Referencia Oldal】
2007年2月27日付,毎日新聞
2007年2月26日23時3分配信,読売新聞
2007年2月27日付,産経新聞
http://kajikablog.jugem.jp/?eid=1004680
フランク・コワルスキー『日本再軍備』(サイマル出版会,1969)
ルトワック『クーデター入門』(徳間書店,1970)

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