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2018年02月09日00:37

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20180208キングスマン・ゴールデンサークル@イオンシネマ北上

うーむ。バンコクで、字幕もなくセリフがあんまり何言ってるかわからずに視たときには、そのせいもあってか頭空っぽにして笑ってみられたんだけど、いざセリフが字幕でわかると、結構難しい仕上がりの作品だなぁ、と言う感想に。
実はあたしの友人の間でこの作品の評価が真っ二つに分かれている。中間というか、中庸な評価がない。なんでしょうかねぇ、この現象は(,,゚Д゚)

あ、多分この後はネタバレバリバリで書きますので要注意。

まぁ、でも2回みてみるとわかることもあって。ああ、この映画、ちょっと難しめに言ってみると「喪失と奪回」というのがテーマなのかな、と。マーリンがジョン・デンバーが好きだというのがただのオフビートなギャグなのかと思っていたら、映画のオープニングからその「カントリーロード」のモチーフ使ってんじゃん(,,゚Д゚) その歌詞の内容はもう言わずもがなな郷愁とそこへの帰還願望だし。で、ポピーのキングスマン総攻撃でマーリン以外全員死んじゃった後、ハリーを取り戻し、ポピーのばらまいたウィルスに感染した恋人を取り戻し、キングスマンを取り戻す。ハリーはハリーで、記憶喪失の間はかつての夢で会った蝶類学者という憧れを取り戻そうとしているし。で、敵方も、ポピーはカンボジア奥地のポピーズランドで失われた50'sアメリカを取り戻すいろんな設備を築いているし、チャーリーは失った右腕を機械で取り戻して復讐をしようとしているし。なんてーか、みんな失った者を取り戻すのに、必死で後ろ向きなのよ(,,゚Д゚)
で、おそらくひとりだけ前向きなのが、ハル・ベリー演じるジンジャーエール。エージェントになろうとしているし、今与えられている任務は懸命にこなしている。でも……絶対腹黒いよな(,,゚Д゚) アルファ・ジェルで命は取り留めたけど記憶喪失と過去退行を起こしているウィスキーにほぼ一発で、裏切りの原因になっている、麻薬中毒者に殺された恋人の写真を見せたりしている(そうそう、ウィスキーの裏切りの理由も、結局は間接的な麻薬中毒者への復讐だから、後ろ向きなのよ(,,゚Д゚))のは、絶対事前に調べをつけていて、今回の任務でウィスキーが裏切っているのをわかってるよなー。で、結局ウィスキーが死んでその空席に滑り込んでみごとエージェントになってるし。

うん。そういうところとかもなんだけど、意図してなのか単に編集構成の都合なのかあるいは脚本がずさんなのか、いろんな部分で、観客に提供されている情報が結構少ないのよ。ポピーとかも、失敗した部下というか仲間を平気でミンチにしてハンバーガーにしたり、ある意味自分の経済を支えてくれている顧客にダンス病を蔓延させるとかいうサイコパス的な要因を見せているのに、大統領への要求が「すべての麻薬の合法化、というか、酒・たばことの同等の扱い」というなんというか、普通のビジネスマンみたいな恐ろしく合理的かつ妥当な要求だったり、ちゃんと解毒剤を配布するドローンを用意していたりすると言うものすごくまともな面がなぜあるのか。で、なんで副大統領っぽい女性がヤクに手を出してダンス病にかかったのか(ダンス病にかかるんだから、若い頃の過ちとかじゃなくて最近多忙でつい手を出していると言うことだよね(,,゚Д゚))。なんで物語の最後で大統領が捕まるのか(確かに大統領ひどいことはやってんだけど。とはいえそりゃ政策的に攻撃を受けて辞任とかならわかるけど)。いや、もっと言うなら、なぜ最初の方のキングスマン総攻撃の元になった個人情報のハッキングでマーリンに関しては情報がそこになかったのか。いろんな謎があって、それに対して観客が理解納得できるだけの情報が、映画の中で提供されていない。なので、謎は残りまくる。

ただちょっと考えてみると、そういうのを緻密に作り上げて情報量いっぱい整合性たっぷりにしてしまうと、この映画本来の「結構ブラック目の刹那的でオフビートな笑いで観客を楽しませる」要素が減ってしまう気がすんだよなー。「うわ、なに、このグロ。え、わははははは。ひでーな、おい」って感じの味。だって、この映画の前作のハイライトなシーンって、あの不謹慎極まりない威風堂々な爆発しまくりのシーンですぜwwww
うまい音楽の使い方で作られた刺激のあるシーンが流れてくるのを、あんまり頭使わずただただ楽しむ。考えるな、感じろ。この映画に「見方」なんてものがあるとしたら、きっとそう言うのがあってるんだろうし、そういう映画の見方をしたくない人にとっては、この映画の評価は低くなるのかなぁ、やっぱり。うん、中間層は存在しないわ、この映画には(,,゚Д゚)

しかしなぁ。やっぱり音楽の使い方、うますぎだよ。オープニングのカーアクションでプリンスの「レッツゴー・クレイジー」もベイビードライバーを彷彿とさせるくらい合いすぎているけど、クライマックスでカントリーミュージックというか古き良きアメリカを象徴するような「カントリーロード」を高らかに歌い上げてマーリンが死んだ直後に、イギリスを代表するナイト、エルトン・ジョンのロケットマンが演奏されて、キングスマンの反撃が始まるんだから。

そうそう。この映画、サー・エルトン・ジョン大活躍だから。それこそ日本だと、井上陽水みたいな存在が、ライダーキックまでするんだぜwwwwwwwww
てか、機械獣みたいな犬を倒した後格好良く去って行くんだけど、え、徒歩でご帰宅ですか、カンボジアの奥地から、エルトンさんwwwwww
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