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2018年02月13日00:00

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ぎ…戯画御伽噺

ばかやろぉ〜〜〜!
目から鼻水怒濤の噴出したじゃないかぁ〜〜!

映画好きは、多分、一度は夢想する。
あのスクリーンの中に行ってみたい。

これは、その反対の物語。

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私は人の温もりに触れたら消えてしまう…
私のいた世界には色がないんだ。

いや、はっきり言って観る前は殆ど期待していなかった。
ただの荒唐無稽コメディだと。

お話そのものは荒唐無稽を通り越して、無茶苦茶に近いお伽噺、べたべたのシナリオ、細かいツッコミどころは山程あるのだが…

話の運びが見事。
色彩感が素晴らしい。
そして、綾瀬はるかが美しい。

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ハチャメチャなお話なのに、減点材料がほとんど見当たらない。

些末を云々して全体を見られないのはとても哀しい事だ。

老い先短い老人が病院のベッドにまで持ち込んでいる未完の映画脚本。
かつて映画が華やかな娯楽の中心だった時代。
その業界で暮らし、映画をこよなく愛する青年が書き綴った脚本。

物語は一人の映画好きの半生をかけた今際の際の夢想だったのか、それとも現実だったのか。

前半コメディタッチで観客を引き込み、中盤から純粋なラブストーリーに移行する。

本作オリジナル脚本の展開は、もうべたべたの定番、次のシーンはほぼ予測できる。
出来るのだが、「あぁ、来やがった。ヤラレタ」と涙が出る。
決して大ドラマチックなシーンではないのだが、ごく自然にヤラレてしまう。
ストーリーは単純明快で先が読める展開だったとしても。

突飛な設定も、既に銀幕の中に引きずり込まれている観客にはどうでも良い事になってしまう。

作品全体にあたたかさ、優しさが溢れている。
「映画への愛」も感じられるし、マニアにとってはちりばめられたオマージュとも言えるセリフやシーンも堪らない。
(され、キミはいくつ見つけられるかな?)

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物語の舞台となる映画館(ロードショー館や、ましてやシネマコンプレックスではなく)の佇まいも素敵だ。

特にファンという訳ではないのだが…
オードリーを再現したであろう綾瀬はるかが美しく、殆どシーンごとに変わる衣装も素晴らしい。
通常は一作全てを一人、あるいは一チームが担当するであろう衣装デザインとヘアメイクデザインを綾瀬はるかのみ単独で起用している力の入れようも肯ける。

脇役陣も素晴らしい。
キーワードでもある“赤い色”が印象的である。

そして…
エンディング

エンドロールに流れる主題歌も作品世界を邪魔しない素敵な曲だ。
なんと言っても、エンドロール時にクールダウン、グチャグチャの顔を元に戻す事も出来るのだから。

いや〜映画って映画って本当にいいもんですね〜

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ちなみに、主人公がいつも首から提げているカメラはLeica M3。
1950年代に登場し、歴史的名機、カメラのロールスロイスとも呼ばれるレンジファインダー機種で、日本のカメラメーカーはとても太刀打ち出来ずレンジファインダーカメラの開発を止めて一眼レフカメラにシフトし、世界一の地位を築く要因となったとまで言われる。
戦前はライカ一台で家が一軒建つとまで言われたが、映画を心から愛する青年が借金してでも手に入れていたであろうという設定にも現実感がある。

それではまた次回をお楽しみに、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

今夜、ロマンス劇場で
監督 武内英樹
脚本 宇山佳佑
出演 綾瀬はるか/坂口健太郎/本田翼/北村一輝/中尾明慶/石橋杏奈/西岡徳馬/柄本明/加藤剛
衣装デザイン(綾瀬はるか) 伊藤佐智子
ヘアメイクデザイン(綾瀬はるか) 中野明海
音楽 住友紀人
主題歌 シェネル「奇跡」
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