mixiユーザー(id:11399914)

2017年11月15日22:43

350 view

『リングウイルス』の話(駄犬メモ)

■SNSの自殺書き込み「支援情報」自動表示を 議連要望
(朝日新聞デジタル - 11月15日 19:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4860797

90年代後半に『リング』というホラー映画が流行った。山村貞子という超能力者の怨念が生み出した呪いのビデオにまつわる映画である。このビデオを見た者は必ず一週間後に死ぬ。助かるためにはビデオをダビングして、他の人に見せなけれならない。かくしてビデオは倍々で増殖し、呪いもまた増殖していくというのが話の根幹となっている。

さて、この呪いには『リングウイルス』という設定がある。『リングウイルス』は天然痘ウイルスと山村貞子の怨念が組み合わさった結果、生まれた全く未知のウイルスだ。このウイルスは空気感染でも、飛沫感染でもなく、視覚情報によって感染する。そのウイルス源となるのが呪いのビデオというわけだ。

この視覚情報によって感染するというのは馬鹿げた設定に思えるかもしれないが、私はそうは思わない。実際に自殺報道が増えると自殺者が増えるという現象が起きたからだ。2008年頃、硫化水素自殺が報道されると次々と、同様の方法で自殺する人達が現れた。結果、報道が自粛されるように成り、それとともに硫化水素自殺を図る者も減っていった。

報道は視覚情報でもあるから、それが結果として死をもたらしているわけであるから、『リングウイルス』と同じである。視覚情報によって、まるで感染したがごとく、自殺という行為に突き進んでいくわけだ。もちろん感染率100%の『リングウイルス』とは異なり、報道の感染力もとい影響力の効果は限りなく小さい。だが、それでも自殺報道には『リングウイルス』と同じ性質があるのである。

ゆえに自殺防止の方法として適切なのは自殺についての報道を全面的に禁止するということだ。
だが、それは報道の自由に対する重大な制約となる。集団自殺についての報道ならまだしも、座間市の事件のように社会的に注目される事件の場合は「マスコミに自粛せよ」という事も難しいのが悩ましいところであろう。

また個人がSNSで発信する場合もある。それもまた『リングウイルス』と同じ効果があるだろう。SNSの書き込みなども視覚情報であるからだ。そうとはいえ、これをも規制したところで、苦悩を一人で抱え込んだ挙句、自殺する可能性もあるわけだ。規制が人を救うとは限らないのが難しいところである。

おわり犬


2 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する