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2017年11月22日21:03

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政治日程に忖度した譲位日程設定は皇族方への侮辱だ

◇「降って湧いた」感を抱かせる2019年5月改元論
昨日(2017年11月21日)22時29分、将棋の藤井聡太四段が王座戦一次予選で平藤真吾(ひらふじ・しんご)七段に勝利し、史上最年少での通算50勝を達成された。
それからさかのぼること約90分前、NHK「ニュースウォッチ9」でこの対局についての
ニュースをやると聞きつけた私は、珍しくNHK総合テレビにチャンネルを合わせた。
ところが、トップニュースは今上陛下の譲位時期について、
「2019(平成31)年3月31日譲位・4月1日皇太子殿下新天皇即位改元」と
「2019年4月30日譲位・5月1日皇太子殿下新天皇即位改元」
の2案で最終調整中であり、そのいずれかにするか決めるための12月1日に皇室会議を開くというものだった。

このニュースを見た瞬間、私はいままで表に出てこなかった「19年5月改元論」が急遽表面化したことに驚きを隠せず、度肝を抜いてしまった。
そして一夜明け、主要メディアが軒並みこのニュースを取り上げ、産経新聞や読売新聞などは、19年5月改元案が極めて有力と報じた。

「平成31年5月1日」改元へ 皇室会議を12月1日に開催 政府は譲位に関する国事行為の日程を閣議決定へ
http://www.sankei.com/life/news/171122/lif1711220003-n1.html

なんでも19年4月に統一地方選挙(14日知事選・道府県議選、28日市区町村の首長・議会選)が行われることから、改元直後に政治的対立を生むのは好ましくないと安倍総理が判断したため、19月5月改元案が出たのだという。
そして、改元直前の19年4月29日は昭和の日で、4月30日の今上陛下譲位、5月1日の現皇太子殿下の第126代天皇即位と、3日連続で皇室に対する思いを国民に強く持ってもらう意味合いも兼ねているらしい。

◇平成31年度は1か月か1年か、それとも存在しないのか
だが申し上げるまでもなく、このタイミングというのはまさにゴールデンウィークの真っただ中で、「自治体関連情報システムを受け持つシステムエンジニアからゴールデンウィークを奪い去る気か」とか「たった1か月のために平成31年度を設けるのか」といった声も聞かれる。

もしも19年5月に改元を行った場合、和暦での年度表記は一体どうなるのだろう。
(1)19年4月は平成31年度で、5月から20年は〇〇(新元号)元年度
(2)19年4月から20年3月は〇〇元年度
(3)19年4月から20年3月は平成31年度
(4)19年4月から20年3月は平成31年度(〇〇元年度)
いずれの解釈を取るにしてもどうもしっくりこない。

もし(3)の解釈を取った場合、年度末に当たる20年3月31日まで「平成は終わらない」という解釈もできてしまい、「それであれば19年12月または20年3月まで平成を続けるべきではないか」ということにもなりかねない。
(2)の解釈を取った場合、年度初めである19年4月1日の時点ではまだ新元号が導入されておらず、(おそらく)事前に新元号が公表されているとはいえ、〇〇元年度という表記を19年4月の段階で用いるのは適切ではないということになる。
では(4)はどうか。
パソコンを使って人力で文書を入力する、あるいは手書きで文書を作成するのであればそれでもいいかもしれないが、先ほど触れた自治体関連の情報システムを作る人にしてみれば、19年4月という「空白の1か月」のために例外処理を盛り込んだ大がかりなシステム改修が必要になってしまい、それにかかるコストで多額の税金が吹っ飛んでしまうことは容易に想像できるだろう。
同じ理由で(1)もふさわしいとは言えないのではないか。

◇19年5月改元を最も忌むべき理由
しかし19年5月改元が適切とは言えない最大の理由は、平成時代の区切りの善し悪しだとか和暦による日付表記だとかシステム改修の手間とかいった次元のものではなく、そもそも統一地方選によって改元直後に国民の間で政治的対立を生むのはよくないという理由にした改元時期の恣意的な設定が、実はすでに天皇陛下をはじめとする皇族方を政治利用している点だ。

はっきり言って、政治日程と皇室関連の日程を連動させようというのは皇室を大切にしたいと思ったうえでの判断とは到底言えない。
政治日程から切り離し、且つ国民生活への影響と皇室行事との兼ね合いから考えて、年度替わりである4月改元を次善策として採用するのが筋ではないだろうか。

尤も、ご存命中の譲位(いわゆる「生前退位」)自体が、皇室の存在によって守られてきたといっても過言ではない日本国民の統合を分断しかねないもので、本来避けるべきものではあるのだが、譲位関連法が17年6月16日に公布され、それから3年以内に譲位が行われることが決定した以上、皇族方と国民が納得するタイミングで譲位が行われるべきであることを踏まえると、皇族方を蹂躙しているとも受け取られかねない19年5月改元案は撤回、あるいは却下されなければならないものと考える。
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