神宮スズメの独り言　2017秋〜１〜宮台君の秋

東京六大学野球の開幕試合は前シーズンの優勝校と最下位校が対戦する。春の優勝校立教はその後、全日本大学選手権も制して日本一に輝いた。対する東大はエースの宮台君が調子を崩し思うような戦いができていなかった。それでも彼はプロ入りを目指すと宣言している。

好天に恵まれた神宮球場、真夏の甲子園で行われていたエネルギッシュな高校野球とはまた違う洗練された華やかさが漂う。

立教の先発は田中誠也君、東大は宮台君ではなく濱崎君だった。

浜崎君は安打を浴びながらも要所を締め、継投した宮本君も右足を大きく上げるダイナミックなライアン投法で力投した。

東大は6回を終わって３−０で立教のリードを許したが、7回から宮台君をマウンドに送った。立教の校歌斉唱の中、宮台君登板のアナウンスに神宮には遠慮がちな拍手が起こった。7回の校歌・エールの最中でなければもっと大きな拍手が起こったはずだ。

そして、この日3打数3安打の峯本君を打席に迎え初級は144キロを記録した。そして三振を奪う。球場が沸いた。

そしてそのイニングを3者凡退に仕留めると、その裏東大は1点を返すのだ。

しかし8回、宮台君は先頭の山根君にバックスクリーン左に放り込まれ、その後も２安打を許した。だが、不調のとき変化球に頼り制球を乱して四球を連発した姿はもうそこにはなかった。

まっすぐでぐいぐい押してくる宮台君に立教は8回から直球狙いを徹底してきたことは明らかだったが、それでもストレートで押した。代打で出てきた昨年高校ジャパンに入っていた敦賀気比出身の林中君を3球三振に仕留めた。

打たれはしたが、いい頃の宮台君に戻ってきているような気がした。

東大の失点はソロホームランが2本と2塁に走者を置いてワイルドピッチを続けたもの、タイムリーを浴びてのものの4点だった。試合を壊すことなく、8回9回には走者を2人ずつ出して反撃したがあと1本が出なかった。

大阪桐蔭出身者が先発メンバーのなかに3人もいる。浦学や仙台育英もいる。一昔前の立教では考えられない強豪私学からの入部で優勝候補にまでなった立教を相手に東大は善戦した。応援も熱心でチアリーディングも上手になった。

そして、あくまでもプロにこだわる宮台君の最後の秋が始まった。



2017年9月9日　東京六大学野球秋季リーグ戦（於　明治神宮野球場）
立教
001 011 010 = 4
000 000 100 = 1
東大