病院の環境(医師の診察や手術、看護師の処置以外の広い意味でのインフラや居住性)は重大ですね。
T病院は、環境が素晴らしいです。
1 病棟が広い。
四人部屋(非差額ベッド)の占有スペースが、四畳半ほどあります。一般の病院の150%くらいです。
2 窓側のスペースは、森のような植栽でおおわれている。
私は通路側でしたが、こういういい場所は、長期入院の方が取るべきです。重病と思われるお年寄りが目を細めて植栽を眺めていたのが、とても、印象的でした。
3 0730〜2100という面会時間。
外科室と同じフロアでしたから、老人が多く、いつも、病人の孫と思われる子どもを連れたカップルが何組もいました。
中庭やフロアや食堂など、大声で騒ぐ子がいてもいいようなスペースもあります。
この面会時間は、起床から消灯までに近いものがあります。
家族が、出勤前や退勤後に寄れる時間帯です。
緩和ケア病棟は、24時間、お見舞い自由だそうです。
人に よっては、見舞いの友人や親族は、命の灯(ともしび)。素晴らしいことです。
4 食堂という名の広いスペースがあり、いつでも寄れる。
『正法眼蔵』の現代語訳が、漫画や推理小説に交じっておかれていました。どなたかが置いていらしたのでしょう。「辨道話」の巻に、おびただしい傍線が引かれていたので、普段は精神世界には興味がなく、特にインテリというわけでもない、普通の方が死を前にして心のよりどころとして持ち込んだもの。同棟の仲間にのこした「遺産」かもしれません。
5 『ナースのお仕事』のロケ地にもなった、きれいな建物。
ピカピカというわけでもありませんが、空間の仕切り方が、抜群にハイセンスです。美的な建築は心を休める作用があります。
そういう環境は、非常に素晴らしいと思いました。
重病になると長い逗留になります。
後輩が就職のと きに、「安いアパートに住むと、顔に出るから、少し奮発した。」と言っていたのを思い出しました。悪い環境は、時間を掛けて人の心を蝕むのでしょう。
医師次第で大きく結果が変わる病気も、そうは多くないでしょう。だから、病院のハコというインフラは、重視するべきです。しかも、T病院は、技術の高いドクターが揃っているそうです。
ただし、飯は感心しません。
最初は、350円だから、贅沢は言えないかと思っていました。
しかし、表をよく見ると、350円は自己負担。保険の支払いも含めると、一食650円になるそうです。
一日の食費が二千円とは、かなり贅沢。
家庭の食事と違い、スケールメリットはまちがいなくありますし、
病院の食事は、街の食堂と違い、台風のときですら一定数の客は確保できます。もちろん、家賃もありません。負担は、栄養士さんの雇用くらいでしょう。酒をほとんど出さずに高い家賃を払って営業する定食屋でも、長年続いているケースがあります。そう考えると、この予算なら、絢爛豪華なものが出せそうですが。
写真の下は、いつも食べている、東池袋 吉鮨のランチ。ツミレ汁と漬物がついて、800円です。
上が、ある日の病院食。公称、650円。
もうけを出して、福利厚生や、当直の医師や看護師の方々の手当てを増しているならいいことですが、
そうでないなら、神保町 さぶちゃん、いもや 高田馬場 南海 東池袋 吉鮨 大塚 松し滿…に弟子入りしてほしいものです(笑)
しかし、味は、素晴らしかったです。ナスの味噌炒めなどは脂がほとんどなく薄味でした。感心しました。こんなに低カロリー低塩分で、ここまで食わせられるものだと。
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