真っ白

ゲシュタルト崩壊

イップス

毎日欠かさずお経の様に
三代目春風亭柳好の野ざらしを唱え続けている。
今年で3年になった。

しかし調子よく集中して声を張っているにも関わらず
頭の中が真っ白になって自分が
何処かに行ってしまう事がある。
なった瞬間は自分が何をしているのか
名前も分からなくなる。
息が吸えなくなる恐怖が襲い
背中には冷や汗が走り
焦って集中して力むと自分に戻る。
この間無酸素状態が30秒〜1分くらい続く。

この時は自分は何処に行っていて
誰だったのだろうか…


音楽をやっていた時も似た様な現象を体験している。
楽屋に入って挨拶もしたくない尊敬できない先輩に挨拶したのがきっかけで
その日のステージは実力を出せなかった。
当たり前にできていた事が
肝心な所でそこの部分だけ切り取られて真っ白になってしまった。

それからというもの俺はゲロを吐かないとステージに上がれなくなった。
エイトマイルというエミネムが主演している映画を見た時にそれは解消された。
エミネム扮する主人公もステージの前にゲロを吐いていた。
それが自分にとってとても救われたカタルシス体験だった。


野ざらしをやってから初めてこの真っ白になる現象が起きた時は嫌だった。
また自分の精神と肉体に人生を邪魔される…
音楽の時に感じていた恐怖が自分の全体に重くのしかかった。
しかし松山千春がテレビで同じ様な現象を語っていたので大丈夫になった。



人間誰でもこんな事よくあるから気にするな
（これは自分に言っています）