アートとか

　アートって言葉が大安売りされていて、なんだか気持ち悪いです。アートと言うのは、なんつーか、自然を超えた、究極の人間のワザ、みたいなもんじゃないかと思うのです。画用紙からはみ出す勢いで子供が絵の具を塗りたくったものは、「アート」じゃなくて「表現」だと思うのです。アートと表現に優劣は無いけど、違うもののような気がします。

　アスリートってのも大繁盛です。一方で「芸人」と言うのもいます。前者の方が高尚のような響きがあって、それに比べると後者はぞんざいな扱いです。でも「自分の芸を磨いてそれを見せることでお金を稼ぐ」のに違いは無いんじゃないですかね。スポーツ、演技、芝居、歌、トーク、噺、ものまね。どれも同じ芸であって、優劣は無いような気がします。あと「職人」ってのもありますか。

　デザインと言うのは、使い勝手までを含めた、製品の目的を達成させるための様々な手段であって、ただ単に見てくれを良くするだけのものは、デコレーションとか装飾とか言うのだと思うのです。 K-01 は洒落たボタンを綺麗に配置したけど、これがもの凄く使いにくい。もしこれをデザインだと言うなら、買わせるためのデザインであって、使うためのデザインではありません。

　洋服屋にカットソーってコーナーがあったので、意味を調べました。カット＆ソー。切って縫ったもの。凡そこの世の布類はみんなそうだろうと思っていたら、セーターは編み物であってカットソーではないそうです。洋服屋のあのコーナーは、だから「セーター以外」としたらいいと思います。

　自ら動く車と書いて「自動車」。2000ccのガソリンエンジンで猛烈に走り回るルンバを想像します。最近は自止車も流行ってます。自ら転ぶ車は「自転車」ですが、「オートバイ」との関係がおかしいよーな気がします。ちなみに「単車」にはタイヤが２つありますが、あくまで「サイドカーが無い」と言う意味での「単」のようです。

　「ソーイング・マシーン」のマシーンがなまってミシン。「マシン」と呼ばれる機械。英語で言えば The Machine。凄い。「ミスター」と呼ばれる元三塁手とか、「リーダー」と呼ばれるコメディアンとか、ついに「ワーゲン」を名乗っちゃった自動車とかも凄い。トヨタも「スポーツカー」って名前の車を出したらいいと思います。そう言えばちょっと前の漫画やアニメでは「ハカセ」や「ガクシャ」が当然のように登場したし、小学校の教室にはやたら「プロ」がいました。

　ついでにミシン油。小さい頃から謎でした。ミシン専用の油ってどんなものだろう、ミシンと言うのはそんなに特別で凄い機械なのかと。昔テレビドラマのバットマンで、敵の撒いたミシン油でとんでもないことになってる姿を見たのも影響していると思います。そして最近になって気が付きました。なんだ「マシン油（機械油）」じゃん！！

　錆びにくい合金をステンと呼ぶ人がいます。ステン（錆）レス（否）のレスが略されてステン。「錆び」と呼ばれる金属。名付け親はさぞ無念であろうと思います。無線LANを WLAN と呼ぶのもてっきり Wireless LAN の less 抜きかと思ったら、これは Wave LAN の略だそうです。ホントかな？

　ソバ。必ずしも蕎麦は入ってなくて、小麦粉だったり米粉だったりコンニャクのもある。粉を練って細長くして茹でて食べるものがソバでその代表格が蕎麦なのか、それとも蕎麦に似た食べ物の総称がソバなのか。ちなみにヤキソバは蕎麦を直火でジリジリと焼くものではないし、タコ焼きはタコを焼いたものではないし、タイ焼きにタイは入ってないし、メロンパンにメロンは入ってない（のを最近知った）。

　ヤキソバに蕎麦が入ってないのと同じくらいに怪しいのが寿司。元は なれずし のはずなのに発酵省略、米酢足しておーらい。おいしんぼ的に言ったら「まがいもの」に分類されそうなものだが、山岡や海山が食ってかからないところを見ると、それを補って余りある創意工夫があると認定されたのだろうと思います。ちなみに回転寿司はパチンコ屋でメシ喰わされてるみたいで嫌いです。

　カメラのシャッターボタンはシャッター「リリース」ボタンと言う。つまり光が入らないように閉じているシャッターを「解き放して」フィルムに感光させるためのボタン。リリースは当時カタカナ化される時にレリーズとされたが、R で始まるのでこの方が元の発音に近いように思う。私が最初に買ったカメラアクセサリーはケーブルレリーズでした。「普通の人が使わない専門用具」な感じがして興奮したのを覚えています。

　バレーボールのバレーはテニスで言う「ボレー」だそうですが、「錦織はバレーがうまい」などと言うと何か違ったものを想像します。全仏頑張って下さい。

　写真はどこぞの玄関。K-01 smc PENTAX-M50/1.4