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2017年03月19日14:10

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 【”質問”から"珍説"に改訂】 ハンガリー動乱は「生活苦を訴える労働者のデモが暴動化し,ついにはソ連軍が介入した事件」(林信吾)??? ---下書き

( http://mltr.ganriki.net/faq23m08f.html#08307 を以下のように改訂予定)


▼ 【珍説】
 ハンガリー動乱は
「生活苦を訴える労働者のデモが暴動化し,ついにはソ連軍が介入した事件」???(林信吾著『反戦軍事学』(朝日新聞社,2006/12/30),p.146)

 【事実】
 まあ,民衆による秘密警察・共産党員虐殺をどう表現するかの問題でしょうが,「暴動化」というのは,ちとニュアンス的に変ですね.▲

▼ 事実としては,ゲレー(ラーコシの後継者)は,まだ流血沙汰になる前,デモが起きただけの段階で,ソ連に対して軍事介入を相談し,ソ連軍が出動しています.
 つまり,「暴動化したデモを鎮圧するためにソ連軍が介入した」という認識は誤りです.

 また,流血沙汰が発生したのは,秘密警察が群集に向かって発砲してからであり,「デモが暴動化」したという表現も誤りです.

 さらに,デモは当初,学生組織MEFESZによって組織され,それに市民がどんどん参加して膨れ上がっていったものであり,その要求のメインは,ソ連軍撤退と自由選挙実施でした.
 やがてこの動きはハンガリー全土に広がり,ごく少数のスターリン主義者以外は殆ど全国民がこれに参加しています.
 つまり,「生活苦を訴える労働者のデモ」という表現も誤りです.
 生活苦を訴えたものでもありませんし,参加したのは労働者だけでもありません.▲

 それに,林の表現ではまるで,ソ連軍侵攻はハンガリーの治安回復のための正当な行動だったかのようにしか読めませんし.

 少なくとも,ハンガリー人の前ではそんな表現をしないほうが身のためでしょうな.

▼ 【参考ページ】
ヴィクター・セベスチェン『ハンガリー革命1956』(白水社,2008)
リトヴァーン・ジェルジ『1956年のハンガリー革命』(現代思潮新社,2006)▲
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